おいしいもの(広義)を食べて生きたい。

自分のため、自分の好きなものをとりあえずメモし、吐き出し、咀嚼するところ。

忠臣蔵討入・る祭(忠る)の感想(2)

忠るの感想、その2。

好きなシーンや、演出、気になったことなどをつらつらと。 ボリュームが多いので、各項目ごとにまとめました。

その1と違って、ここからはかなりラフなの感じで書いてます。

全体の感想はこちら。

q692te.hateblo.jp

 

武士悔いねえ:クリックすると開く

初っ端からテンションがめちゃくちゃあがった〜〜〜〜〜〜〜!
お祭りぶち上げてるのと、このテンションでの現在への触れ方がよかったです。

コロナ禍の演劇って本当に本当に大変で、観客としてしか想像ができませんが、まず間違いなくPCRで予算がかなりかかります。カンパニーによっては数百万円とんでいきますよね。今回は演者の人数絞っているけれど、スタッフさんも必要なので・・・・。もちろん稽古も十分にできないでしょうし、換気とか人数制限とか。マスクとフェイスシールドつけての殺陣で若者がヒイヒイいっているという話も聞きましたが、36歳の大人たちなんてもっと大変だったじゃん、とか。

コロナ禍の観劇ももちろん大変で、今回配信でしか見ることのできない方も多くいらっしゃって、(全回配信があって本当に良かった!)、悔しい思いされている方も多いでしょうし、現地でもいろいろな気遣いが必要とされました。(結構大きい声でお話されている人はもう少し我慢していただきたかったですがね。。)そもそも普段のお仕事や生活でコロナの打撃を受けてる方もたくさんいらっしゃるわけで。というか程度の差はあれ全員打撃は受けているんですが。

・・・・というこのご時世。舞台の一番最初、演るのも観るのも大変同士が出会うこのパートで、空気を「共有」できるんですよね、ポップな曲調で。しかも板の上から「ムリムリ」って明るく言ってくれる。年末に心がスッとしてしまいました。
湿っぽい触れ方や、やけにエモーショルなやつ、時には演劇大変っていう叫びとかいろんなパターン見てきたんですけど、祭りシリーズの「今この時への触れ方」がやさしく楽しいもので本当によかった。

まあ私は「お静かにっ!(ブンブンブン)」がかわいすぎて、永遠に浴びていたいと思いましたが・・・・・・・いやぁ〜〜〜〜〜〜よかった。綱吉様、お口をむっと力入れてブンブンするのきゃわすぎてどうしようかと思った。あんなのきゃわじゃん無限再生したい。殿の周りのダブルピース天国もよかったなぁ。
にっこにこな寺坂。(平野良のダブルピースが好きなので。)この曲はみーんなかわいかった。みんなバブ。バブの大漁。バブの入れ食いだなと思いました。

大山まーくんと原田優一さんの歌もそれぞれよかったですね。
30日昼に原田さんが下手からインした時に「近松小さい・・・!?」って一瞬なりましたが「キレイか?」と押しの強いアドリブぶち込んできて「いや、圧がでけえ」ってなりました。
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殿の日替わり:クリックすると開く

あれネタ提供誰なんだろう。ちゃんと円盤収録お願いしたい。
ご飯ネタは平野さんではないのはわかるんだけれども。ウエアハウスでご飯行ってないので。それと今回は「契約で」家と稽古場直行直帰だったそうなので、主に提供元は過去の共演者になると思うんですが。稽古場での私語はそんなに推奨されないとは思うので・・・・(とはいえ大石家宣日替わりでの後輩の趣味の話もあったので、若干は交流していたのかな?)

もしここがセルフプロデュースなら「カツ、やべえな・・・」ってなる。(大薮とのシーンは結構体張ってプロデュースしていたみたいだし。)まあ無難に安西、木ノ本、林(敬称略)あたりなんでしょうか。あ、あと小早川くんかな。事務所と猫ひた(曜日は違うと思うけど。)る典のときみたいにLINEグループ作ってネタ提供をみんなでしあったのかもしれないですね。

それにしてもよかった。今までの関係値がゼロな人が、陽のパワーでコバカツさんをいじるんだもん。勝てない。座組からのいい意味での殿の浮きっぷりが殿らしさであったし、それが面白さに寄与していた。代役だからこその跳ね方をした印象のシーンでした。
このいじりパートをストーリーの冒頭に入れるので、浅野内匠頭の人間像と赤穂藩(幼稚園だったけど)と大石の関係性を説明ゼリフじゃなくて理解できるのうまいよなぁ。

歌NGなのに鼻歌でハモリの方を歌っちゃうコバカツさんとか、人の恋バナ好きなコバカツさんとか、もっと聞きたかったな。  
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松の廊下事件〜Get Wild:クリックすると開く

松の廊下、最高だった。せり上がりながら盆が回る・・・・。観客としては「キタキタキタ」と不謹慎ながら高まるパートなのですが、本当にセットが良すぎた。下手から観るとより廊下感が際立ったなと思いました。

吉良がようやく浅野内匠頭の弱さのスイッチを見つけた時の表情が素晴らしかったですね。扇子をくるくる回しながら「刃傷でござる、刃傷でござる〜〜〜」も最高に嫌味でよかったな。(ところであのピンクのプレゼントは一体何だったんだろう・・・、と思っていましたが、伊藤さんの配信で桜の飾りの印籠、っていってたかな?)

惜しむらくはDVD収録回といわれている31日昼公演で浅野内匠頭が刀を抜いた時に袖にかかってしまったことかなぁ。あの回だけなんですよね、引っかかっちゃったの。差し替えしてもらったほうがいいんだけどどうなるのでしょうか。

さてここまで読めば私が綱吉贔屓なのわかるかと思いますが、まあここもマントを付けたままの立ち回りが麗しかったですね。回る盆で身を翻すのが眼福でした。一度躓いていてヒヤッとしましたが。
そしてまさかのMake me Happy。辻本氏はNiziU好きなんですけど、まさか2部の煮汁じゃなくて1幕ラストで踊るとは思っていなかったんで意表を突かれました。ダンス時スンッと真顔でシュールだったな。まあそれ以外の立ち回りや下手にはける時などとても悪い笑顔をしてらっしゃいましたが。
後に「上様が笑っていた」と源五右衛門が語るシーンがあるので、映像的にそれがわかるようなカットが採用されるとよいのですが・・・千秋楽のスイッチングは若干わかりづらいので編集に期待したいところ。

で、そこからのGet Wild間奏殺陣。めちゃくちゃアガるBGM(テテテテテ)で寺坂と柳沢が殺陣するシーンが最高に好きです。
なんとなく、この動画の最初の方に寄せて楽曲を制作している気がしないでもない。
TM NETWORK / Get Wild(TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-)

殺陣のうまい二人かつ、階段や廊下などのセットがないのでテンポも早くて気持ちがいいですよね。そして早いけどちゃんと重さもある。刀で競り合うところで、蒼木氏が刀を若干震えさせるような演出(というのかな)を加えていて、それが殺陣の重みとリアリティをあげていたと思います。家宣の反撃もスマートでよかった。
なんというか、得意技が違う同士が戦っている感がして見応えがありました。

それにしても大石が強すぎる。刀を抜かずとも柳沢をいなすことができるし音が鈍い。数的不利かつ大石が刀を抜こうとした瞬間柳沢も引くんですが、その大石の抜刀しようとするカットもちゃんと収録してほしいな・・・たしか千秋楽映像分かりづらかった。

そして徳川ソロ歌唱パートに向かうのですが、注目してほしいのが蒼木陣の身体能力ですね。あの階段を3歩+α程度で登ってしれっと歌唱に加わるの、まじで瞬間移動ですからね。3歩+α程度と書いたのは、多分実質4歩で軽々登れるんだと思うんですが、最後階段を歩いてのぼる演技をするので調整で+αとなってます。しかも盆回転してますからね・・・。
あれか?寺坂が剣心だったらお前は瀬田宗次郎の縮地を使えるのか???これ円盤で見れるか微妙なんですけれどももう一度確認したい……まじで彼だからあの瞬間階段の上で歌うことができたと思っています。すごい。

小林座長は歌ダンスNGではありますが、だからといってソロパート徳川のみというのも思い切ったと思いますし、徳川への感情移入を狙ったものでもあるなと感じちゃいましたね・・・。後々ボディブローが効いてくる歌詞だと思います。

ここ演出も素晴らしくて、浅野内匠頭が盆の奥から階段の下をくぐって中央に歩いてくるのが本当によかった。浅野内匠頭の覚悟しつつも滲み出る悲嘆さと下に目をやらない徳川とのコントラストがよかったです。

ところで伊藤さんの配信を聞く限り、ゲトワ2番(?)は当初別曲だったみたいですね。最終稽古前の通しという割とギリギリのタイミングでこの形になったようなことをお話されていました。いや〜この形になってよかったなぁと個人的には思いました。

あとこれは絶対に円盤に入るとは思うけれど、Get Wildではぜひ井深克彦のダンスを見てください。力強いあのダンスが最高に好き。キューブあげます。

初日から手拍子が入ったGet Wild、はたから見ると気が狂っていますが楽しかったですね。 —-

大石と家宣の2幕冒頭階段のシーン:クリックすると開く

家宣がソロを歌って、過去回想した後の二人のやり取りのシーン。
ここの演出が私はめちゃくちゃ好きです。階段でのパーフェクトな演出。途中演出が若干変わったんですけれど、変更前も変更後もどちらもよいなあ〜〜と思いつつも、変更後のほうが家宣に寄り添っていて好きです。

図の番号は、家宣と大石がいる位置を表しています。

f:id:Q692te:20210117210712p:plain ①:一番上。
家宣のソロ曲〜過去回想。ソロ歌うというのもあるけれど、徳川家宣として人の上に立つものだったので一番上にいる。
②:少し下がる。
親友を殺してしまった後悔から崩れるように下の段へ。失ってしまった、人の上に立てなくなった自分自身の思いの現れ。過去の自分自身を大石に告白する時はこの位置。
③:大石の位置
家宣の過去の話を聞く時、このあたりに座る。
④:家宣が再び上に立つ
セリフと連動して動く。
・赤穂の仲間たちはみんないい奴らです。:家宣立ち上がり階段を登り④の位置へ。
・私を恐れず、バカにもせず、対等な仲間として扱ってくれる。:後ろを向きながら。
└1番上に立っているけれども、後ろ向きなので人の上に立ちたくはない気持ち。
 家宣(上に立つもの)だとしてもこれからも対等でありたいという気持ち。
・私は自分が誰だったかを思い出したからこそ、この場所を離れづらくなっています。:前を向く。
・できるならこのまま、赤穂藩士としてここにとどまりたい。:階段を降りる→⑤の位置へ
⑤:大石と同じ目線に立つ。
家宣の一番強い気持ちを大石に伝える位置。
・もう一度仲間というもののために生きてみたい。
・それが叶わぬなら、私に生きてる価値なんてない。

・お気持ちお察し致します。
ですが、赤穂藩自体がこんな様子では……。
:大石は階段を降りてしまう≒家宣の気持ちを受け止めない。

旧演出の場合、大石が気持ちを受け止めない・届かないという現状を色濃く映していて、変更後は「家宣の想いが一層強い」ということを強調する演出に変わったと思います。確かに全体の流れや家宣と大石の関係性を思うと、変更後の演出がよりしっくりくる気がしています。

いやぁ〜〜〜〜階段の位置で心情を表現する演出すっばらしい・・・・。
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殺陣:クリックすると開く

今回殺陣シーンが多い、長い、見応え抜群でしたね。
特に平野、辻本、蒼木が3箇所で殺陣を始めて目が足りないのなんの・・・・。まじでマルチアングルカメラが必要。平野蒼木のGet Wild殺陣もよかったですが、討ち入りの殺陣本当に豪華でかっこよかった。しかも雪の降る中の殺陣。美しかった。

特に平野座長お疲れさまでした。36歳にこんな長尺の殺陣をさせるの鬼畜だわ。家宣はくるっと身を翻したり身軽な感じの殺陣でしたし、しかもはしごに登ったり階段登ったり大変そうだった。最後まで怪我がなく完走できてよかった。戦闘狂っぽい綱吉もよかったなぁ、一人だけめっちゃ笑う。上手にはける時の煽るような表情と仕草が良きでした。

3人が強すぎて赤穂浪士たち、もうちょっと頑張れ、と思ってしまいましたね・・・。たまに赤穂浪士の手が遅れると平野さんの殺陣数変わるんですよね。SEはちゃんと追っかけでつけてくれたんですが・・・・そういうところもちょいちょい目についてしまいました。
あ、でも十郎のやられ方が非常に良かったです。階段から落ちるときってどうしても正面から落ちがちなんですけれど、横から落ちれるんですね彼は。良かった。
あと階段からの落ち方のうまさで言えば、大石に顔を殴られた柳沢の落ち方が見事だったかな。回転しながら落ちて、その後鼻血出ていないか確認する一連のシーケンス、よかった。

私は辻本>蒼木>平野の順番で見てしまう傾向があるので、階段上部での家宣大石の対峙を見れていないんですよね・・・・鈍い峰打ちの音は聞こえているのですが。。だからこそマルチアングルカメラまじで必要なんですよね、、、辻本さんの速すぎる殺陣も、蒼木氏のダイナミックな殺陣も、平野さんがくるっと回転したりしながら殺陣してるところも全部見たい。全員の殺陣を見たいよ〜〜〜。

討ち入り殺陣は終盤の演出変更も気になりました。

まずは大石と対峙した家宣が峰打ちに切り替える時。
28〜30日までは切っ先を大石に向けたまま少し刀を振るようにして峰打ちに変えたのですが、31日については一度刀を縦に持って峰打ちに切り替えた後に構え直していました。個人的にはずっと切っ先を向けていてほしかったなぁと思いましたが、千秋楽公演の方はわかりやすかったのではないかなという印象を持ちました。前楽はなんか微妙に思えてしまったけれども……。

あとはしごの上に登って槍を切断するところ。
30日までは槍を掴む→刃を切れる方に持ち変える→切断、でしたが
31日は槍が来る方向を見る→先に刃を切れる方に持ち変える→槍を掴んで切断、でした。前楽の時は、あまり槍が来る方向を見ていないのに刃を持ち替えていたので違和感がありましたが、千秋楽はしっかり目視するようになったので違和感なくスムーズだったなと感じました。
というか、こんなに分かりやすく殺陣変更するんだな、しかもそれが楽日の31日だというのが驚きだったというか。円盤収録に合わせたのかな。

ところで討ち入り冒頭で大石が采配で敵を殴る音が鈍すぎましたね。あれ、殴る道具なの・・・?大石みたいな大男、そりゃあ強いわっていうインパクトはありましたが。

あと徳川はパワーSなのかな。家宣は2本のやりで上から攻撃されても払いきれるし、刀蹴飛ばして押し返せるし。綱吉も赤穂藩士二人から斬りかかられても片手持ちの刀で払えるし、吉良に刺された後の殴って払いのけるところのSEがそこそこ鈍かったりするし。あ、信子も強いわ。パワーSだわ。

また、殺陣ではないですが、家宣の刀をアクロバット抜刀する柳沢すごいよかった。やたらアクロバットさせられていた蒼木氏ですが、ここのアクロバット抜刀については普通に走るより早いですからね。超合理的抜刀。痺れる。
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照明・セット:クリックすると開く

忠る、照明豪華過ぎでセットもよくて本当に良かった。来年の祭りシリーズもそうあってほしい。
花道はなかったけれど、装置も豪華。上でも書いたけど松の廊下すごくよい。あと階段も、床を広く使える面と、階段がメインになる面があったりして、着脱式階段×盆がめちゃくちゃ効果的なの本当好き。ほんと場面転換がうんめえ……板さん好き……。

あ、あとセットではないけれど地下牢での吉良と家宣のシーンは、家宣の刀の美術が素晴らしかった。吉良が刀をもって入ってきても、それが家宣の刀だと一瞬でわかるので敵意がないことが伝わる。美術がうまい・・・。

そして本当に本当にムービングライトが最高。Get Wildのところと、特に殺陣でムービングライトバッシバシなの最高に高揚した。私はずっと1階席だったので見えませんでしたが、地下牢の檻の照明もいい感じでしたね。

そして薄紅色の歌の時の照明がマジで最高でした。薄紫にオレンジが射し込む。極上の照明だった。背景に星空が浮かんでいましたしね。キレイすぎる光景でした。

とにかく忠るの照明はシャブ。永遠に吸いたいって思った。
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千秋楽事件:クリックすると開く

さて・・・、千秋楽、何が起こったんでしょうね。この項目まじで主観の塊です。

まず30日から帝が松田→前川にバトンタッチしましたが、そこでまた座組の印象が変わった心象を受けました。松田帝よりも「青年らしさ」が前面にでてフレッシュで掴みどころのない食えない前川帝。どちらも素敵な帝ではあったのですが、前川帝は締めるシーン(1幕ラストや2幕の文箱のシーン等)で若すぎてしまうかなと思ってしまう瞬間がありました。

それに合わせたのか、結構平野さんは演技をより「若い方向に」調節していたような印象でした。そうすることで全体を調和させようとしたイメージでしょうか。(実際はわかりませんが。私の印象です。)簡潔に言うなれば「バブ」が強調されていった。千秋楽なんて登場シーンから両手広げるわ、「あざとかわいい〜〜(じたばた)」とかホント年齢を下げた演技していました。まあそれ以外も若々しい感じになってました。

千秋楽は辻本さんも一気に線が細く弱く危うい印象でかつ「若い」というか…年齢下げた方向に演技を走らせたように見えました。いやまじで千秋楽一気に変えたなと1幕時点で思いましたが・・・。

で、問題の(?)2幕のラストです。辻本さんが年齢下げた演技してるので、平野さんとの対峙のシーン(死ぬ直前)で今までよりも揺れたしむき出しだったんですよね、表情とかが。このシーンで徳川二人のシンクロニシティが謎に生まれたような印象を受けました。

討ち入り終わりは盆が回って綱吉たちが奥に行き、家宣と大石が残されるラストシーンに続くわけですが・・・ここまでの7公演は全て去りゆく者に背中を向けて、大体は客席の方を向いて家宣はうつむいていたのですが、千秋楽公演だけは綱吉と信子の方を振り向いて見届けてしまったんですね。この公演だけは家宣は客席側に背中を向けてしまった。

つまり何が言いたいかというと、千秋楽公演の家宣と綱吉は、通じあえるかもしれなかった二人なんですよ。去りゆく綱吉と信子を見つめる家宣は、全てに背を向けるのではなく、自ら徳川を背負いにいった家宣であり、綱吉と通じるかもしれなかった家宣でもある。徳川の重みを感じている家宣なんです。いやぁ〜〜〜びっくりした。前楽より千秋楽をDVD収録してくれないかなぁ・・・。面白いもの見れたので。
うまく言葉に表せないんですが、シンメの完成形を見ました。

あと千秋楽はラストシーンの大石へのセリフで「わたっ、私も一緒に連れて行ってください。」と珍しく平野さんが噛むんですが、それが「寺坂として、赤穂藩士としての気持ちが入っていない」という印象になりました。この日はやっぱり最後まで「徳川家宣」だったなぁ。

ついでに書いておけば、ラストシーンで印象深かったのは29日夜なんですが・・・家宣はうずくまってしまいましたね・・・・。この日の最後は「寺坂吉右衛門」としての純度が高かった。赤穂藩の一員として泉岳寺に行きたかったように見えました。あぁ29日夜・・・最高に噛み合ってたなぁ・・・・・。赤穂藩側も幕府側も29日夜めちゃよかったよ・・・・。
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頭のわるいパート:クリックすると開く

シンメすな。もう分かってますよね?私は辻本祐樹氏贔屓です。

私の初見の感想は、先にも書いたように「そこでシンメすな・・・・(thx,るひま)」でした。いや、確かに今回いつも以上に「お芝居を重視する。」ということを強調し、特に「板垣さんがいっていた」というのを聞いていたので、メインの役どころには信頼できる役者を置くだろうというのは分かっていたのですが、、こんっっっな美味しい役を若者ではなくこの2人(というか座長は確定枠なのでつじもとさん)にしたというのはるひまがやりたかったことなんだろうなという気がしてしまったという印象でして。(本当のところはもちろん知らない。)

(初回1部終わってすぐつぶやいたのかなこれ・・・。)
(私が弱いのは、珍しく贔屓にまつわる関係性が見れる組み合わせであり、かつ、その相手が信頼に足る役者であるというだけで深い意味はないよ。)

あれだったのかな、る変を経て源氏物語再販したのは伏線だったのかな??? www.lehimawari-onlineshop.com (平野・辻本出演の3人芝居で、役を期間途中で入れ替えるというクレイジーな舞台だよ。1粒で二度美味しい。ぜひ買って見てね。)

そもそも今回10周年ということで、座長でなくてもいわゆる”るひま功労者”たちが高待遇な印象でした。
物語を引き締めるシーンにかっち(祭りシリーズ最多出演)を置いたり、みねくんや林さんもいい役でした。安西も、幟も立ったね。(それと。※下の方で書く。)
そして最近本筋にあまり関わらず、ちょっとちょっかい出す悪役が定着した辻本さんが、今回ガッツリテーマに絡むという。10周年のご祝儀なのかなぁというぐらい。びっくりしてしまった。正直出番そんなに期待してなかった。。。出てくれるだけでありがたいので。。。(特に今回は年末別のお仕事の予定で、そのお仕事がコロナでキャンセルになったから今回出演できたという経緯があります。)

平野さんと辻本さんの関係性はまあ言わずもがなですが、同い年だし金八からのつながりで同じ席で・・・という縁ですね。る変の対談でも話してますね。平野さんのブログにも今年書いてたな、珍しく。
youtu.be lineblog.me (テニスのオタクなので補足しますが、この二人はテニミュはニアミスと言う感じ。共演しているけど、対戦はしていないんですね、四天Aと青学5代目。二人の中学生を見るなら全国立海前編サポで素麺売ってるドヘタクソ関西弁の平野良と、試合している辻本祐樹見るのがいいんじゃないですかね・・・。 www.tennimu.com 今回の2部で使用されたパロディ元の楽曲も気になるなら、ドリライ7thだと全部入りです。今回の出演者の大山まーくんも見れます。) www.tennimu.com

とはいえこのお二人は特に仲良しというわけでもないのでルーツの近さはあるものの、基本遠い印象のある二人なのですが。共演も源氏物語の次はる変ってぐらいで。ここを・・・・シンメにしたか、る・ひまわり。そういう性癖を持っているんだな・・・。るフェアのときはスルーだったのにな。板さんじゃなかったから?

今になって思えば、今回のバスツアーの無言昼食で同じタイミングでエプロンをかけ(他キャストはエプロンしない)、同じタイミングでおしぼりで手を拭いたのも面白いなって思ってしまうよな。DVDでまた見れるかな?
いや、大して仲良いわけでもないのにwwwとか笑いながら見てたんだけどさ、バスツアーの時・・・。そういえばあの時は稽古前だったし台本も持っていないだろうタイミングでしたが(おそらく。11/24の時点で台本が間に合っていないbyるジオ)、知らずして「家宣」の眠る増上寺に「綱吉」役が出向くという、今思えば悪趣味な時間でもあったね・・・。いや、前もって寺坂がどういう役どころかみんな知っていたかもしれませんが。

そして・・・いや〜〜〜二人のポニテよかったなぁ。紐はそれぞれ違いましたが。今回ポニテ祭りだけど、髪型まで寄せてきたか〜〜〜〜〜ってなったよ。センター分けポニテよきでしたね・・・。
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幕府側の諸々:クリックすると開く

幕府サイドは色々と情報が多いので、言及したいことをいくつか。

三角関係という触れ込みでしたが、エグい三角関係でしたね、幕府。

綱吉は登場シーンの信子が去る時すごく寂しそうなんですよね。効果音も入るし。手を伸ばしかけているんだから、ちゃんと伸ばせ。素直になれ。もっと信子と一緒にいたいって言ってくれ・・・。そして最後に明かされる「信子からの恋文を文箱に大事にしまっている」という事実です。信子への愛は一貫してるんですよね、最初から最期まで。

信子は「上様は一体何をお探しなのだ」と思っているけれど特にそれを上様とは話さず。綱吉お気に入りの帯に変えて、柳沢は帯に気づいて話しかけるけど綱吉は特に何も言わなかったんでしょう。お互い「気づいてほしい、大事である」と思っているけれど一歩引いてしまっている。

柳沢は信子のことが明らかに好きなんですが、綱吉に人生捧げる覚悟は本物。だからこそ例の「仕事」に行き着くのかなり重たいですね。

▼仕事関連
恐らくはその「仕事」の結果として信子は懐妊したと思うのですが、それに喜び天を仰ぐ綱吉と、握りしめた手を見つめ続ける信子の交わらない視線の対比がえぐかったですね。残された柳沢は、この後の諸々よろしく頼んだぞって信子に刃を向けられるの辛すぎる。救いがないですね。

最初のシーンのように、ちとからかいすぎたようじゃ、って笑い合っていられればよかったんですけどね。
そういえば初回は割と「柳沢は信子のことが好きなのだろう」の綱吉の目の動きからドロドロの予感がしたんだけど、日を追うごとにだんだんその色が薄れていった気がしたな。
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「対綱吉」について

綱吉は最初から「なぜ私は民に支持されないのです。」と言っていることから、欲しかったものは人の想いでしかない。そして、ただただ仲間という存在に焦がれ、そんな人が現れることを心のどこかで祈っていたわけで。。「この世の全ては思い通りに。神になれる日は近い。」の歌詞については、神であれば民から愛されると思ったから、なのかなという気がしてしまいますね。

つまり上様は私腹を肥やしたいわけでもなんでもないので、途中大石が「世の中お金」という話や「金よりも義」という話をしますが、ここに綱吉に当てはまらないんだよなあ。総じて大石の対綱吉の動機に少し違和感があったりするんだよなあ。というか意外と軸がブレてる。
(あのセリフをロジカルに紐解くことができない・・・。ついでに規則規則でしばりつけ〜、も同様に。まあ冒頭で財政難である赤穂藩を意図的にいじめているというわけですが。)

ただし民の一人である大石の言葉があることで、綱吉の本心とのギャップが際立つなとも思っています。それでしかないような気がするんだよな・・・。

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討ち入りのシーンの綱吉。

そんなことをしたら吉良が捕らえられるところを見逃すではありませんか
何のために信子まで連れてきたと思うのです。
私に歯向かう者を一網打尽にするためですよ

信子を連れてきたのは自分が絶対的な地位を確立している確認作業、でしかないのかなぁと・・・。逆に言えばそれほど綱吉には「自信がない」ということ。安心材料を眼前で見せつけることで、無事に子どもを生んでもらいたい、ということ・・・なのかな。
いや身重だぞ、連れてくんなって感じだけどな。
正直なところ自信のなさを作劇中で強調したいプラス、後の展開のために必要だったというだけかなとは思っています。

まあ基本的に綱吉は20時から始まる刑事ドラマの犯人で、それまで狡猾な手段で事を進めていたのにツメが甘く、最後の最後で刑事に追い詰められながらダサい目的をゲロっちゃうタイプの子だからさ・・・。かわいそうでかわいいんだよな、綱吉。

事情はあれど幕府側は悪役は悪役なんですが、悪いやつの「すべてが悪い」わけではないっていうのが一番やり辛いよね。幕府側の僕たちにも正義はある、と蒼木氏は言っていましたが。
もちろん朝廷にも赤穂藩にも嫌がらせするわ、信子は誰かを毒殺するわ、柳沢は家宣を拷問するわやりたい放題やってるんだけどな。
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なんでなん脚本:クリックすると開く

思わせぶりな帝、知り過ぎな吉良とか・・・他にもまあ色々ガバゆるなところはありました。上の項目にも書いた大石の思わせぶりなセリフ群とか、特に効果を感じないセリフもあった。

あとはリーディングでの補完が必要だと思いました。徳川の方に比重が重くて、赤穂藩をもう少し掘ったほうがよさそう。

大石と浅野内匠頭:大石が殿のことを好きであるという話。
寺坂と浅野内匠頭:寺坂が殿をどう思っているのか。(何も矢印を感じなかった)
大石と源五右衛門+α:なぜ源五右衛門や赤穂藩士が大石を嫌っているのか。

赤穂藩士たちのパートで、どこかで「大石はなんやかんや頼りになる」という芝居が入れられれば赤穂藩の物語の強度が高まったかと思うんですが、脚本的にも演技的にもハードだったなという印象です。

あとは残された二人の話はあっていいですよね。家宣と柳沢はどう未来を描くのか。
綱吉は辻本さんなんでいつもの通りいい感じで掘り下げがあると思ってる信じてる。
綱吉と家宣なのか、綱吉と信子なのか。

ところで、吉良からの手紙はあるか? www.youtube.com まあ・・・首落とされちゃったからなぁ、吉良は。
伊藤さんが上映会に参加する未来は正直見えないけど、みんなの心に爪痕を残していそうだから。
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感想(3)へ続く。

(3)は各キャスト様への感想

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(4)はその他の諸々

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です。