おいしいもの(広義)を食べて生きたい。

自分のため、自分の好きなものをとりあえずメモし、吐き出し、咀嚼するところ。

忠臣蔵討入・る祭(忠る)の感想(4)

忠るの感想、その4。 最後の項目。長かった・・・。

今までの。
q692te.hateblo.jp

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んー。

ここはネガティブな項目なので、ポジティブな話しか目に入れたくない方は飛ばしてください。役者個人への思いではなく、脚本・構成に対する印象です。足りないなと思ったところ。ディスではないと思う。たぶん。

んー、の中身をみる:クリックすると開く

今回は個人的には体感的に軽くて、人数も少ないし時間も短いし精神的にも身体的にも楽だなと思いました。疲れない、ただ楽しいと思えるお祭り。全力で楽しめました。めっちゃ楽しかったよ!!!!全通して本当によかった。そして祭シリーズ10周年として、大江戸鍋でもやった忠臣蔵として、正しいと思っています。

反面、深い内容はないなとも思いました。
スーパー演出と役者陣の演技に騙されてない?大丈夫?という気分に。散々書き連ねてはいますが、今までの内容は構成や役者陣に対するツッコミであり、内容の深堀りは特にないかなぁ、なんて。

正直大石も家宣も、話す内容が軽い。特に家宣。重かったのは敵方でしたね。「現代版」を作る≒「視座の違い」を意識させる演目だったので、吉良や綱吉の背景のほうが分かりやすく作られていたので、観客にとっては敵方の情報のほうが親切であり丁寧だと感じてしまいました。

家宣は背景というよりも彼の追い求める理想が、自分が大切な人を殺めた上ではあるとはいえ、「身分の上下に関わらず、すべての者が笑って暮らせる世の中」「私は私が理想とする、みんなが笑って暮らせる国作りを目指したい」という言っちゃあ悪いですが薄っぺらい理想です。小学生が考えた最強の総理大臣みたいなセリフだなぁって思ってしまう。
もちろん理想はそうであっても現実はそうとはいかない。彼は小学生ではなく「当事者」です。ただ、彼の政治的な理想はこれ以外に出てこないんですね。

むしろ、大切な人を殺し一度自分の居場所を失ったのだから、もう一歩が欲しかった。こういった甘い理想を36歳の俳優にいわせるのかぁという気持ちにもなりました。る戦の時の佐奈くんのような若い役者であれば違和感もそこまで出なかったんですけれどもね。(そりゃあ年齢を下げるような演技をしますよね。バブくもなりますわなぁ……。)
もちろん、人を殺めた上でこういった理想を掲げるのが家宣らしさであり、それが彼の強さであるという解釈するのもなくはないかと思うんですが、個人的にはそうは思えませんでしたね……。

それと、綱吉のしたことは許される話でもありません。信子も毒殺を重ねているようですし。でもそれは家宣自身だってそう。仲間を殺して見限られているわけです。ほんと記憶喪失ですべてがリセットされた気分になりやがってコイツは・・・。それどころか赤穂藩士たちの矜持を踏みにじるな甘ちゃんが。と思ってしまいまして。

赤穂藩士は自ら「赤穂浪士」と刻んだダンダラ袴を羽織っており、そこに彼らの崇高な魂を感じます。もちろん、「死に行く」ことを美しく描くのは現代の価値観からズレているのでしょうが、「赤穂浪士」を背負う勇気も覚悟もない家宣が泉岳寺に行くことは許されないと思うんですね。泉岳寺行きを乞うのはいささか甘ちゃんがすぎるのですよ。もちろん、最後ちゃんと「寺坂」とは別れを告げるのですが。

脚本の内容的な問題ではありますが、熟成された中堅の役者に濃度の薄いことを言わせているなという印象が最後まで拭えなかったという印象がありました。
・・・・本当、年齢を下げた演技をせざるをえなかったと思うんですよね。

ーー

大石はというと、こっちもね。コバカツさんの演技の巧さと色気に脳死してる気がしちゃう。
大石言ってること、とっ散らかってません?「転職したい」という現代版設定の功罪があるような、ないような……。大石から殿への愛、藩への愛、藩士への愛はわかるけど、「あれでもこの人辞めたかったじゃん。」と思うんですよ。
私自身が、転職するする詐欺のパワハラ上司複数名に巡り合いその度に苛立っていたからかもしれませんが。「転職したい上司」なんぞについていくの嫌ですね、私だったら……。

赤穂藩士たちが素直で良い子達でよかったですね。。もうちょっと赤穂藩士がなぜ彼を最期まで慕い続けるのかの理由もほしいところでしたが。。(リーディングで補完なのか?)大石は辞表を出して何をやりたかったんですかねえ。彼自身がどうしたいのか、彼のビジョンはよく見えませんでした。ニート?(頼朝様か?)

そんな大石と喜世のシーン。いいシーンなんです、わかります。グッときた回ももちろんあります。「喜世、(ぽんぽん)」とか惚れちゃうじゃん。わかるわ。
ただ、回を追えば追うほどセリフの継ぎ接ぎが気になって仕方ありませんでした。特に楽日にアレレ?と私はなってしまったんですよね。なんか毎回「お、エチュード初めた?」という気分になっちゃう。
少なくとも私と妹(席はバラバラ)は同じ感想を持ちました。みんな好きなシーンなんだろうなってわかるんですけど……私は気になっちゃったんです。
念押ししますが、個人の感想だよ。

ーー
■31日夜
殿は元気かなぁ
もう一回だけ もう一回だけでも会いたいなあ
私はなあ 殿をずっと小さいときから観てきた
私は あの方自身の人柄が好きだったんだろうな

(以降共通セリフ)
いやでも、これは私にとって仕事だ。
私にとっての仕事と言うのは金よりもまず義が立つ
ーー


「あの方自身の人柄が好きだったんだろうな」というのがあまりに唐突すぎるんですね。これ違う回では「先代の殿から息子をよろしく頼むと言われた。でもそんなことは関係ない。私はあの方自身の人柄が好きだったんだ。」みたいな流れで使用していて、こっちだと全く違和感がない。
人柄じゃなくて、「殿が大好きだったんだ」ver.にすれば違和感なかった気がしますが・・・。全公演見ている弊害かもしれないなと思いつつも、違和感だと感じてしまったものはしょうがないなとも思っています。

殿が好き?仕事?金?義?パラパラとセリフがつぎはぎ組み合わされたような印象でした。いや、何度も見て逆に混乱する舞台なんてある?逆じゃない?

そもそも大石がそんなに殿が好きだというようには見えていないんですよね。
1幕終わりの「殿!」と叫ぶシーンとここでしか見えない部分。確かにキャラクターの設定上、大石は「見せない人」なんですが、「見えなすぎた」という気もするんです。「転職したい」という設定がなぁ・・・。

別の項目にも書いたけれど、"世の中金が動かしている"、"規則規則で縛り付ける"、のセリフも効果がいまいちわからないんだけれども、、、
改めて考えてみてもなんかコバカツさんのかっこよさと色気と演技の巧さにやられて脳死してる気がしちゃうんだよな。コバカツさんはズルい男なので・・・。

--- この項目棘あるからサイレントで追記するね。(21/1/20)

もちろん座長二人は巧いので、家宣・寺坂・大石を想像させる余地が広がる芝居しているのですよ。
ただ、本がその想像を狭めている、というだけの話。なんらかの補助線が引けると世界は広がっただろうに、という物足りなさ。
それをリーディングで補完するというのは、本来はすべきではないし(物語は舞台の上で完結すべき)あまりにも惜しいということなんですよ。
その後の世界を想像するのは観客の自由だけれど、見えずに閉じた物語が多い。
リーディングでのさらなる拡張は大いに歓迎なんだけれど、本来描くべき世界が狭いのはうーんって思ってしまうところで忠るは正直そのあたりは足りないと個人的に思っています。

個人的にはやっぱり、大石、赤穂藩、足りないと思うんだよ。1幕にもう少しだけ仕掛けが必要だったと思う。
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超余談:クリックすると開く

というか演劇人たちは「転職」を何だと思ってるんだろ。
これは常々思っている演劇人からみた「一般会社員のステレオタイプ」を感じるアレですが。「新入社員で転職する人が3〜4割いるらしくて」という話をしていましたが・・・新卒と大石みたいな役職付きの人の転職はえらい違いがあるような気がしてしまいますよね。
立つ鳥跡を濁しまくる転職しようとすな、大石。引き継ぎを丁寧にしろ大石。

またここは超余談段落なので書き留めますが、私は他意なく、31日夜の「殿は元気かなぁ」は劇中の殿だと思ってます。受け止め方は自由だとは思いますが。今この時を愛しているので、できれば役者にもそうであってほしいと願っています。ここに見えない方への愛は、今回の忠る公演では違う形で贈られているのではないかなと私は解釈したいです。
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その他

寺坂:クリックすると開く

というわけで、続けて寺坂のことを。
31日に両座長の口から語られた滝口幸広さん、彼が大江戸鍋の時に演じていたのが寺坂でしたね。「寺坂」を座長にするのは、るひまは10周年に座長に据えたかったのかなあ、なんて思ってしまいました。平野さんが「いろんな想いを背負って」と各所で何回もいうので、、、まあそういうことなんだろうなって思っています。
10周年はるひまの常連組が良きポジションに収まっていたので、彼も常連組の1人として良きポジションにいたんだろうなと。この10年を盛り上げた俳優陣への愛を感じました。
このご時世で全公演できたのは寺坂パワーもあったかもしれないですね。今年も晴れたなあ。1日だけ雨の日があったけど、結局ほぼ降らず傘を刺さずに過ごせたなあ。
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メモ

直前の代役でバタバタでしたが、ちゃんと幕が上がったことに感謝です。忠るの初日までの流れは以下より。
https://fusetter.com/tw/323hyKe3

そんなこんなで奇跡のような8公演

千秋楽公演の規制退場の幕の向こうでキャスト陣の盛り上がる声(イエーヤッターおつかれー!的な)が聞こえてきて、それに対して客席から拍手が湧いた光景を忘れません。本当に8公演完走できたのは奇跡のようでした。お疲れさまでした。みんなみんな大好きです。

追加グッズも、上映会も、円盤も、この先の新たな10年も待っています。


おわり〜〜〜!
お疲れさまでした!

忠臣蔵討入・る祭(忠る)の感想(3)

忠るの感想、その3。

キャスト様の感想。
人によって長さはまちまちにはなりましたが、好きなところ書いた。

寺坂・家宣:平野さん:クリックすると開く

平野さんが天然素材のバブだということが今回伝わったのではないでしょうかね・・・。
武士悔いねえを永久に保存したい。
箒に乗って下手から再登場する時の「シュタタタタ」的な効果音は能成を思い出しましたが、まあ言う時言わない時あるので「過去オマージュ」ではなく「本人そのもの」なんだなということがよく分かってニコニコした。

とはいえコバカツさんのお世話もしつつ、マルチにご活躍されていました。大石と寺坂のお戯れのシーンはすべて日替わり収録してほしい。初日はコバカツさんに押され気味でしたが、2日目夜からはずっと寺坂のほうが強かったですね。意外でした。(るジオではSぶってたけど、カツはMなんじゃ?)

今回本当にポニテがかわいかったですし、めちゃくちゃ似合っていたし、無敵のるろうに剣士でした。殺陣強すぎ・・・飛天御剣流だったのでは?殺陣シーンの項目でも書きましたが、本当にお疲れさまでした。
個人的には「どうだ赤穂浪士!ここで引く覚悟はできたか!」の直前の流れるような抜き胴がめっちゃ好き。あとラストの花見シーンの薄紫のお衣装が素敵すぎました。ブルベのお肌に似合いすぎる・・・・。髪飾りめっちゃ豪華になるのもかわいい。
よきです。 ただ、一瞬しか身に着けない回想限定SSR徳川衣装も好きです。あれのお写真も欲しいな。写真撮る暇なかっただろうけれども。

好きなシーンはもう項目立ててしまったので語るべきことがあまりないんですけれど、今回も全体の座組を引っ張るお芝居が素敵でした。ウエアハウス組の芝居の巧さはさすがですね。平野さん演技変えてくるからたくさん見たくなるけど、ちゃんと物語の軸がブレないのがさすがなんだよなぁ。

2部は刃牙でスベったりもしてましたが(「背中に鬼の貌!」そしてそれを松田岳くんに真似されて「それ俺が初日にスベったやつ・・・笑」とか言ってましたね。)安定感のあるMCとパフォーマンスがさすがでした。いや、でもる変で散々ウケた「へっ!」がウケなくて狼狽えていたのに笑ったし、2回目やっても全然ダメだったな〜。
初日マチネの超鈍行で走りまくった後の煮汁選抜の縄跳びがキツそうだったなぁ〜とか思ったら、ソワレは走る量だいぶ減らしてて笑った。あとちょいちょいネタが古くて笑ってしまった。千秋楽カテコの「大塚愛ばりのもう1回」は若い子に通じるのか?

さと兄中村氏ゲストでの林さんの喉いじりで、「もうほんとにやめてあげて、泣きそうになってきた」っていいながら既にうるうるして泣いてたところに不覚ながらキュンとしてしまった。キュンです。「泣きそう」っていって泣かないやつ好きじゃないんだけど、(これ、そういえばヘイニーのラスト配信でも誰かが言ってた気がする。原田さん?気が合う。)「泣きそう」っていいながらすでに泣いてる人は愛おしいでしょ。。。。

あと、さと兄が「平野は、かわいいな。」って言って近づいてきたので、「何・・・!?パーソナルスペース(引き)」って言って距離をとったの笑った。「パーソナルスペース広っ!?」って伊藤さんもつっこんでた。ソーシャルディスタンスじゃなくて、パーソナルスペースって、めっちゃウケるんだよな。

平野さんの惜しい点は1つだけです。ラビットダンスしてくれなかったことですね。初回せっかくやっとんがぶち込んでくれたネタをどこかで披露してもらいたかったすね・・・。

あとはただのサウナおじさんでした。バスツアーでも、日替わりでも。サウナは1回行くと煩悩が3つ消える。覚えました。

いやー歌って踊れてMCも殺陣もできる面白いお兄さんでしたね。平野さんもるジオにきてほしいなぁ。上映会も楽しみです。

あと今年は平野さんは泉岳寺に個人的にもお参りしていたらしいですね。滝口の話も本当にちらっと。
1/20まで見れるツイキャスのゲスト回。(ただ……後半は面倒くさい酔っ払いなので人を選ぶ配信ではある。かわいいね、って愛せそうならぜひ。)
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大石:小林さん:クリックすると開く

色気がすごかった。着流しで足が見えすぎてドキドキしてしまった。太ももまで見えちゃう・・・大丈夫かな。。。
板さんがいう100点の役者。かっこよかったなぁ、大石。刀を抜かないでも柳沢をいなせる強さ。腰を心配しつつもめちゃくちゃ早い素振り。あ、この人ガチ体育会系なの忘れてました。バレーボールでジュニアオリンピック出場経験有りの人でした。
なんだかんだの面倒見の良さが彼の求心力なんだろうなと思いながら見ていました。あと討ち入り前にたまの情報を信じる大石、冷静に考えたらかわいすぎるなって思いました。

地味に衣装が多い。着回しコーデしてるなぁって思ってた。討ち入り衣装が華々しい。

29日夜のさり際が本当にズルい男でした。ズルい。大石と家宣のきらきら武士中の日替わりで、お互いに可愛い顔し合う、というものがあったのですが、その「楽しく戯れていた日々」のリフレインとして最後さり際の「楽しかったなー!寺坂。」の後にその時のかわいい「きゅんポーズ」を出してきた。
名シーンでしたね・・・。ここ円盤に入れてほしいよね・・・・。29日夜、本当に好きな回・・・。

最新のるジオでの板垣さんの話を聞くと、「コバカツさんほんと、そういうところですね、わかる」ってなれる。コバカツさんがどうしてこんなにも魅力的なのか、というのが言語化されていると思います。
note.com
(るジオ、面白いのでぜひ買って聞いてほしい。)

しかし千秋楽、殿が言うようにいじられすぎでしたね、そういうキャラクターじゃないはずですが笑最後の方疲れていて頭が回っていないのかと思うぐらい平野さんにやられっぱなしでしたねえ。
というか平野さん相手に甘えていたような印象で、初めて見るコバカツさんでした。
個人的に「船木」は面白かった。自分、ウィンタースポーツ大好きなので・・・。

あとは新たな一面が開花してよかったんじゃないですかね。大薮のことを今後も愛してあげてください。2部は後半タカいじりで楽しようとしていた気もしないでもないですが笑
♪いつでも探しているよ、どっかにタカの姿を

そういえば元スト曲中に大薮をストーキングした回が1度ありましたが、これについては「慎太郎の立ち位置に入ろうとした」と言っていて、ちょっと胸がキュッとなりました。
まあ練習していたわけではないので立ち位置もそこまで分かっていなかったようにも思いますけれども。

最終的な印象が、「大薮丘を愛しすぎてしまった人」で、平野さんからも「タカなしでは生きられないカツ」って今月のおももくで言われていて爆笑してしまった。
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綱吉:辻本さん:クリックすると開く

36歳のお誕生日おめでとうございました!!(本当は12日中にブログ公開したかったんですけど無理でした……。)

綱吉について一番に書き留めたいのは、お花見シーンで照明が落ちる直前の表情。
いつからかは知りませんが、暗転直前にふわっとうっすら歯を見せて微笑むんですね・・・。途中から右隣にいる信子の方を伏し目がちで見つめた後に上を向いて微笑むようになりました。 いやぁ〜〜〜〜劇中絶対に見せることのなかった穏やかな微笑みでしたからね。。あの花見のシーンでぶち込まれたら情緒も乱れるわ。千秋楽のカメラは座長二人をクローズアップしていましたが、是非また見たかったなぁ。

見どころたくさんありましたねえ。「ところで」の氷点下のお芝居、「ダメー!殺さなーい!」、壊してさしあげます、孤独で病んで家宣の幻覚が見えてしまうようなところ、うるさいうるさい!うう〜〜〜!、そして最後の微笑み。
たくさんの振れ幅を堪能させていただきました。予想外のバブだった。
伊藤さんにぶち込まれた日替わり心理テスト最高に好きだったので全部収録してほしいですね。いじられる辻本さん愛おしい。
「この人想像以上にやべえ人でした」って言われるのすごい楽しかった。

それにしても今回のお召し物と髪型とメイク、すごかったなぁ〜〜〜〜。今年のメイクめっちゃ好き。以前「辻ちゃんは顔が小さすぎて頭にいつも盛る」と板垣さんが以前話していましたが、今回小さいお顔がさらに小さくなるようなアイテムがおでこについていて度々空間が歪んだような気もしました。
しかし本当にお顔が小さい。そりゃあ綱吉マスクは小さすぎちゃいますよね。意味なしにもなる。

メイクがよく分かるお写真。
あとこっちだとわかりやすいんですが、髪の毛に若干赤っぽい毛先も入ってて、光に透けるとキレイで立体感出るんすよね・・・ウィッグも凝ってる。 あとはマントね、ほんと、マントの貴公子(by中村)でした。マントの扱い、マントの表情が素敵でしたね〜〜〜〜。一度転んでしまったこともありましたが、シーン的には問題なかったのでよかった。
そもそもマントつけながら踊れるのすごいなって思いました、すごい。家宣いびりシーンでのマントと高笑いもよかったです。リピート再生したい。
殺陣シーンでマントを脱ぐのが演出になってよかった。る年はいつの間にかマントを外していたんですが、今回は「殺陣、開☆幕!」って感じで脱ぐのがよかったですし、かっこよかったですね。音ハメ最高だった。

殺陣シーン、今回あって本当に嬉しかったですね!
もともと綱吉が帯刀するのは確定だったので、刀を抜くぐらいはありそうかと思っていましたが、まさかここまで見せ場があるとは思いませんでした。
よく見ると「綱吉」っていう刀がある。左の上から3つ目ですね。

速くて美しい殺陣、めっちゃ好き。
今回の殺陣で全体的に柄で相手の腹を殴るような仕草がところどころにあった気がするのですが(柳沢家宣のGet Wildの殺陣とか。)、上手で確か十郎相手に綱吉も同じ殺陣をやっていました。
そこのスピード感とかもめっちゃ好きでしたし、源五右衛門と十郎二人がかりを軽々相手にしたり、助右衛門の太刀を背中側で受けたり、、、いや〜〜上様の殺陣よかったです。

ただこんな綺羅びやかで豪華なお衣装もらっているのに望み過ぎかもしれないけれど、衣装に葵が入っていないのがシュンでした。家の字が入ってなくても徳川なのにさ。家宣は2つも葵が入った衣装あっていいよなぁ。シュンです。

2部は驚くほど縄跳びが軽くてビビった。この人体力おばけなんだなぁ。飛びながら本家の踊りをやっていて余裕すぎでしたね。
みねくんと二人しかいないパートだったので(おそらく安西がもともといたはず…)4回選出されていたのでハードだったと思うんですけど、縄跳びに関する心配事は何一つなかった。回す時は原田さんのためにめちゃくちゃゆっくりやさしく回していたらMC陣に即バレしてましたね。

29日マチソワの大久保祭りは忘れられない。紫吹淳様に足を向けて眠れませんね。。。
「大久保、私はお前のためには死なぬ。」も最高だったし、そこからの「私達の愛はね、深いんですよ。」もよかった・・・・。最終的に「どっちか選びなさい」までのパッケージが凄まじかったですね。
ありがとう姫たま・・・。

そして会場内のパーカー人口の多さ!目立ってました。私は着ていく勇気がないタイプの人間でしたが、パーカーファンサしている姿を見て、さすがファンサ神すごいなと感心していました。
うちわへのレーザービームはいつものごとくさすがでした。ありがたや。

個人的にツイキャスで指ハートのことを全く分かっていなかった時を知っていたので、千秋楽上手に指ハートきゅん決めてて「すげえ!」ってなりました。上手見えない位置だったので抜いてくれたカメラさんどうもありがとう。 twitcasting.tv 気になる方は、27:40ぐらいから。無料で見れてしまうよ。

あとは辻本・蒼木出演のラジオでのリクエスト曲がNiziU本家なのは笑いました。
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源五右衛門:木ノ本さん:クリックすると開く

ヒロインじゃん。めちゃくちゃ可愛かったね・・・・振り袖ポニテおリボン。
殿に蝶よ花よと甘やかされて育ってきたんだね・・・・バブだった。かわいかった。
討ち入り宣告前のたまをぎゅっと抱きしめるお手々が可愛かった。討ち入りの衣装は羽織でよくは見えなかったけれどもキレイなお衣装だったなぁ。

薄紅色の歌の時の上手での大薮との犬芸、歌う平野さんのことを見たいのについつい犬たち見たくなってしまうからやめてほしかった。
かわいかったですね、たまにちょっとキモかったけど。

とはいえ啓さんとのネタコーナーで気持ち悪い扱いをされようとしていたが、全く気持ち悪くないが????????????るひまの悪いところでたなー、って思た。
内輪ノリは気持ちよくて楽しいんだけど、一見さんお断りに見えないようにしてほしいですよね、これから。

前回のる変の時も2部で自ら進んで”気持ち悪く”なろうとしていた、気持ち悪さが自分的にも物足りなかったらしい、というタレコミが某方よりありましたが・・・気持ち悪くならなくてもいいのに、必要のないところでは。

ただ今年の2部はヤナが謎に積極的なのでだいぶ楽していた気がします。 そういう意味では今回の2部はもっと”気持ち悪くて”よかったんじゃないかなぁ。る変の長浜ねねちゃんみたいにぶっ壊れてほしかった感はある。

中村龍介氏からは今までで一番見た目がかっこよかったという感想を伝えられたそうですよ。かわいさとかっこよさで最強じゃんな。

跪く仕草が板につきすぎて、一切ぶれない。大薮とか、大久保になった辻本さんはぶれるのに。だからこそ、やっぱり位の高いポジションも見てみたいです。

あと円盤でモザイク入らないでほしい。祈る。
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柳沢:蒼木さん:クリックすると開く

もはや舞台機構の一つ。誰よりも拍手をもらった男。さすがのアクロバットと殺陣でした。
殺陣項目にも書いたけど、アクロバット抜刀が超合理的で好き。
衣装が尖ってたなぁ〜〜。ヘビ柄やシルバーとか凝りに凝った衣装だった。あんなに衣装重そうに見えても重力がないんだもんなぁ。
「この国のために何をするというのだ!」って家宣に刃を向けるところが好きだな。幕府側の正義を非常に感じるシーンなので。

武士悔いねえのワンワンめっちゃかわいかった〜〜〜〜、無限リピート案件。

吉良役の伊藤さんとのやり取りがかわいかったですね。29日夜かな?吉良から「犬公方のあと、アドリブいれられるチャンスが有る」と言われたんで改めて上様に悪口言おうとしても「・・・・ばかっ!すごいばか!」ぐらいしか悪口のレパートリーがなくて全客席がほっこりした。

千秋楽の日替わりで、「世の中そんなに甘くないぞ」って上様に言われて帰ろうとする吉良に対して、「ちょちょちょちょいちょいちょい」って言いながらめっちゃバシバシ身体を叩いて励ましているのが体育会系というか脳筋感あってよかった。

キャストやスタッフも認める脳筋 あとは「お待ち下さい柳沢様〜〜〜〜」のシーンで足を引っ張られるシーンも目立ちましたが、大楽ではその引っ張られる距離が長すぎて思わず笑っちゃっててゲラだなぁ〜と思いました。笑わないほうがいいシーンなんですが、まあかわいかったな。つい甘い目で見てしまう。

伊藤さんから選ばれしフォロワーの1人。配信でも名前でたしお写真撮ったらしいのでどこかでツーショアップお待ちしていますが・・・。

前田利家といい、兼続といい、サマバザのDVモラハラ兄といい、「るひまはあて書き多いよね」って言われているのに本人の性格・性質とは違う役を与えられている人。
(るひまが謎の性癖をこじらせているんか?)
そろそろあて書き的なのも、というか違う役どころを見てみたくはある。

2部は「あのね、ヤナね!」って幼児になった。1部とのギャップ大賞だった。
ヤナ強くなりてえ!今日だけだから〜〜!って言いながら最後まで挙手したのハートが強くて偉い。ウーバーの話はまじで収集できなくてどうしようかとは思った。大楽は笑ってもらえてよかったね!(無言忠る塾でも脚をつったドラマーしてたね。)
帝王様に無茶振りしたけど、帝王様その話前にラジオでしていたなぁ〜〜ってアドリブ弱いところにニコッとした。辻本蒼木のペア、微笑ましくてよかったです。

前楽かな、辻本さんの鰹節を預かったけどその後上手と下手に分かれてしまってなかなか渡しに行けなかったけど、歩いて帰ろうが流れた瞬間すぐ辻本さんのもとに向かう忠犬だったし、その後下手でわちゃわちゃしててかわいかった。

あとトーマス(ブレイクダンスの技)20回したのはよかったですけど、中村龍介は「もっとやれるだろ」って後で話したというのが最高にアツいなと思った。(中村氏配信より。)
「陣はね、子犬。(by中村)」
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浅野内匠頭:小林賢祐さん:クリックすると開く

清廉で陽の気配しかしない殿、素晴らしかった!
登場シーンで拍手できて嬉しい。中央を通り過ぎて少し戻って「苦しゅうない!」ってやるの毎回好きだった。

大石に有無を言わせないのに、そこにパワハラの気配を感じさせないある意味怖い人でもありました。部下はみんなイエスマンだしね。

今回、アンダースタディとして、安西さんの代わりに小林賢祐さんが代役となりましたが、この制度は忠るからなのかな?

私の朧気な「演出家板垣恭一は知っている2のメモ」
・る戦代役の話(この時も代役色々あった。大薮が頑張った)
・稽古中全員揃わないときもある。そうすると「誰かやってー!」と板さんが言う。
 但し、難しい役の場合は「龍、みね、やって。」とできるキャストに声をかける。

・・・とまあこんなメモが。
なのでる戦時には存在しなかったアンダースタディ制度。

また、小林さんにお声がけしたのは音響の天野さん。素敵な采配。 安西の温かくて奇天烈な殿もすごく観てみたかったけれど、小林さんの代役は素晴らしかったし回を追うごとに素敵な殿になっていったなあと思いました。
というか怖いぐらい小林さんの役になってた。そういえば最初の頃殿もぐだらんショーしてたけどやらなくなってしまったなぁ。大楽の林さんきっかけの色紙プレゼントもよかった。
(カメラにうつっていたジンアオキの表情にもぐっときてしまった。) www.youtube.com るひまのことが大好きになる映像。
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東山天皇:松田さん:クリックすると開く

寺の息子。発声が寺。重く低く静かに響く発声がすごく好きだし、あの声の出し方されると説得力がすごい。
今年は読経を浴びれませんでしたが、塩まきと雲龍型で年末に身を清められたのでは?除夜の鐘もよかった。

初日の髪の毛が半端なかった。あの髪型だけで笑ってしまう。ソワレは大石が髪の毛をもとに戻そうと手伝ってくれていましたね。独特な帝で絶対なにか考えがあるのに全く読めない帝。
香水ダンスが得意なタイプのダンスだったんだろうなという印象で、回を追うごとにブラッシュアップされていった。

ところで2部でこんなにも「次世代のるひま」を連呼されたことありましたっけ?
「先輩に言われたんで・・・」ってちゃんと顔にガッツリ白塗りして最終的にジョーカーになる姿吹っ切れていましたね。松田岳ファンはそれでいいのか?大丈夫なのか?と少し不安になった。私は楽しいからいいんだけど・・・。
最後あまりの吹っ切れた姿に、私は超鈍行でついに黄色を振った。

29日夜が円盤化されてほしい〜〜〜〜〜松田帝版フルでほしい。

あと本人のやってる猫イラストだけアップしてるインスタも見て。かわいいから。
www.instagram.com ラインスタンプもかわいいね。 —-

東山天皇:前川さん:クリックすると開く

松田さんとはタイプの違う帝。確かに組み合わせ的には松田―大山、前川ー原田のほうがしっくりくる気がする。この2名が変わるだけで座組全体の印象も変化するんだ、というのが見てとれて面白かったです。
今回の座組で唯一の初見だったのですが、身長がすらっと高いけれど細すぎないからスタイルが本当に抜群だなと思いました。

2部での神戸ギュウゾウのクシャッとした笑顔を見て、なるほどこれはハマる人多いな、と納得した。かわいかったです。
超鈍行のダンスも初日から一番仕上がってた気がする。本家よく見てるなぁ〜〜って思った。大楽で超鈍行の先輩たちの無茶振りに頑張って応えようとしていてえらかったですねーしかも一番手だったし。

かわいい動画。
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大高:大薮さん:クリックすると開く

フワちゃんかわいかった。早いところ写真をあげてください。高確率であがるんじゃなかったんかい。

良かったなと思ったのは大石が家宣に刀を向けるので、赤穂浪士立ちの中で最初に家宣に刀を向けるところですね。彼は大石の右腕なので。ただ殿切腹の時の演技が謎だった。時空どうなった。場所を変えたほうが良かった気がするんだが上手から結構移動してあのポジションにつくんだよなぁ〜うーん。

浅野内匠頭の項目で「演出家板垣恭一は〜」の代役の話を書きましたが、それに関連して
「る戦では若手が伸び伸びしていた。コバカツみたいなプレッシャーを掛けないから。」というメモがありました。(板さん発信か中村氏発信かは忘れました。)
忠るはどうだったんだろう、なあタカ。

おおやぶの配信裏話。諸事情でちらちらしか見れていないからニュアンス違ったらすみません。
・俺がいないと・・・みたいなのになっちゃってたけど、俺は普通に尊敬してるから呼ばれたら行く。
・二重人格のくだりは、コバカツさんが頑張って再現してくれた。(僕より13も年上の先輩がやってるのが面白くてマスクの下で笑ってしまった。←笑うな。)

2部の代役はさすがでしたね。大高から大高村に名前が変更されて笑ってしまった。あれ、1st立海の姿してるんですけど、途中から3rd立海風の歌唱(幸村があ〜↓あ〜〜↑っていれる。)の方法取り入れていてテニスのオタクは笑いました。ベッドで横になりながら歌ってる姿おもろかった。

あと縄跳びでのジャンプ力が地味にエグい。陸上やってたからか、脚も早いけどジャンプ力もすごいんだな。さすがの脚力。
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助右衛門:小早川さん:クリックすると開く

衣装が豪華だな〜と思ったけれど、多分討ち入りでお着替えがない枠だからなのかな?とも。髪型がいい!似合う。毛先の水色がキレイだったなあ。

ぐだらんショーはたしか初回の「これっぐらいの、お弁当箱はない!」がかわいくてよかった。そのぐらいでいいと思うよ、やかわ……。恐怖かんじちゃったよ。無理しすぎないで・・・。

2部は超鈍行は設定が難しかったな、正直……。インリンしだして、大丈夫なのこの子、って心配になった。

ところで事務所の先輩を大薮に取られていいのか??2部でなかなか大変になってる時に先輩が顔をそらしていて笑ってしまった。
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喜世:井深さん:クリックすると開く

100点。
大石との二人のシーンや、近松とのシーンなど素晴らしい。10周年最多出演への愛を感じた。本当にいいシーンに出てくれて嬉しい。禰豆子(合ってる?)の時はウィッグつけてかわいかった。
最後ティアラしてるのかわいい。そして喜世は悪い女(史実)へ・・という感じになるんでしょうか。

きらきら武士ではそんなことないのに、Get Wildでめちゃくちゃダンスが激しくて好き。あそこついついかっちを見ちゃう。吸引力がすごかった。

家宣と喜世のシーンめっちゃ好き。
「寺坂…いえ、家宣様、キュンっ」「あっ……(ここの平野さんかわいい)」もいいし、「十郎様のお身体が悪いかもしれないということ言えません!」「十郎殿が!」っていった後に「はあぁぁぁ」って口元抑えるところはいつもおもろい。鮮度が落ちない。素晴らしい。

今回のかっちは平野さんも袖から見ていて本当にかわいいなと思ってドキッとしまったことがあったとか。 そのことぐらいしか話はないけど、一応リンク。
るひま関係ないけどかっちの話めちゃくちゃおもろい。
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郡兵衛:谷戸さん:クリックすると開く

大江戸では討ち入り行くのに彼女作るのってどうなの……みたいな話が挟み込まれたけど、今回はノーツッコミだったのなんでかなという感じではあった。(安兵衛がめっちゃ馬鹿なのか?)

あとメイクが初日以降髭が濃くなったね。初日ぐらいでも良かったと思うが・・・。すっかり中間管理職という印象。二瓶さんとのコンビ芸みれなくて少しさみしくなった。

何より内藤大希さんのために脚の毛をそるプロ根性。恐竜おもしろすぎた。
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タマ:啓さん:クリックすると開く

ただの啓さんだった。自由な猫だったな、タマ。
家宣の監禁場所つきとめたりお手柄なんだけどね、タマ。
存在感だにゃ、存在感がビビるほどでかいんだにゃ。

2部は紫吹淳のパワーにおされてダメダメな感じだった。私も天海みたかったよ〜〜〜啓さん〜〜〜!
藤原乗り換え改札は自由だけどそろそろワンパな気もしてきちゃったし、女役演るならスカートはいてほしいのでパターン変えてほしかった気はした。
ただ「楊貴妃クレオパトラ、藤原乗り換え改札」はめっちゃおもしろかったし、それに的確に「3大美女ね」ってツッコミ解説いれる谷戸さんもおもろかった。  
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安兵衛:林さん:クリックすると開く

円盤収録に合わせて声が出るようになってめっっっちゃよかった、ホッとした。その技を教えてほしい。31日は、前楽は声の関係下少し演技が抑えめだったので大楽のほうが安兵衛らしさが出てたような気もしましたが。割と問題になるアドリブをいれてくる。円盤収録の際は何卒・・・・千秋楽の方を採用したほうがいいと思います。

まあなにはともあれ、赤穂藩士の中でも殿愛をちゃんと語ったり、殺陣シーン一番手の見せ場があったり、10周年のいい役だったんだと思います。(最初の一人での殺陣シーン頭切れてる気がするけど・・・)

百名くんのス○ィッチモノマネを「ドナルドめっちゃうまいやん!」ってつっこんだの、あれ素かな?崩れ落ちてたけど。そういうところが林さんのズルいところだと思う。ずるい人。腹筋小太鼓でも29夜は淀様のために、っていってくれて「大野〜!」ってなったけれど、結局うまくいかないポンコツ具合がたまらなかった。うん、ずるい人だ。

2部の超鈍行で、松田岳劇場でサウナ再現のオチが迷子になりそうだったタイミングで「これカイジやん」ってナイスパス出したのがマジでGJ。
そこから松田氏もよく拾いましたしおもろかった。  
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吉良:伊藤さん:クリックすると開く

ほんっっっっと化粧映えする。最初この写真見た時衝撃だったもん。 いや〜〜〜おいしい役だった、吉良。衣装めっちゃ好き。そして引き出しが多くて素敵でしたね、伊藤さん。
徳川日替わり、紅蓮華乱入ダンス、赤穂藩をいじめるわる〜い顔、刃傷の時の扇子くるくると綱吉のマントに隠れてわざとらしくプルプルするところ、千秋楽ゲトワダンス間違える愛おしさ、切腹シーンでの振る舞い、柳沢の小判を脚で踏むとこ、地下牢での語り口、討ち入り時の鼻水。 いや、見どころ多いな。

まんじゅうアドリブは初回(確か)のスーパーボールの下りをブラッシュアップして千秋楽にやってたのがお見事でした。それ以外は全部変えてきた。
上様をいじるのもよかったなぁ〜〜辻本さんあんまりいじられるポジションにいないので本当に楽しかった。徳川二人がゲラなので、平和な時間だった。
「また一緒にやりたいぞ」ってるひま常連様がおっしゃっていたけど、また見たいですね。たぶん次の舞台の準備でアーカイブ見れてないんで、るーちゃんまたアーカイブ配信して。

2部のKYパークも良かった。自費キューブ。冷凍キウイ爆発してアレルギーに怯えるパーク。私は鍋キューブが好き。MCでさりげなくフォローもする。ぎりぎりも攻める。さすが年間1000ステージの男。舞台で見たのは始めてだけど、演る前からわかってたこの安心感。
個人的にみねくんのダンス(?)について言及したのが好きだった。私もみねくんのあの感じ気になっちゃう。

伊藤さんがどういう感じでるひまメンツと馴染んでいくのか、フォロー欄をストーキングしてたんだけど、松田(稽古中)→蒼木(追加稽古時)→両座長(その翌日)→辻本(29日)の5名が選ばれました。公演後に何故か数名が追加されてた。
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十郎:百名さん:クリックすると開く

まさか最後までローランドだとは思わなかった。
器用。ライトの当たらないところでダンスが上手い。殺陣のやられ方もよかった。徐々にるひまに毒されていく姿を見れて楽しかった。ス○ィッチのモノマネがガチ。古巣のモノマネしだすからワクワクしたけど明治座に伝わらない空気がシュールだったな。

正直2部に全て持ってかれた。大楽の登場シーンでジャケットを上に投げ、横に突き出した腕に引っ掛けるのかと思いきや後ろにジャケットがはらりと落ちていくのが面白すぎた。
幼少時代の門左衛門の完成度がよかった。前日のゲネから初日にかけて完成度をあげたというのが素晴らしい。
ちゃんと元ネタみました!とか事務所のトップの先輩(元ネタの人)に自撮り送って青空写真が返ってくるとか、ところどころおもろいネタをぶちこんでくる。
百名ボーイお疲れさまでした。
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近松:大山さん:クリックすると開く

身体がでかい。
衣装めっちゃかわいい、好き。まーくん、紅蓮華でアレンジいれるのめっちゃいいよね。「これ俺の歌です。」って感じが良い。きらきら武士で上手から出てくる時に、「さ〜〜来ましたよ!」って感じで手を打ち鳴らしてから歌い始めたりして「今オレの時間!」ってなってんのもいい。フェイク入れるのも好き。香水の歌いだしの「赤穂に、いきなりさ」の歌い方がかわいい。総じてポップスの歌い方が好きだなって思った。
別舞台の合間によく出てくれたなぁ、感謝。

あと、煮汁のモーメーメー牛と山羊、のとこのダンスがめっちゃかわいくて好きだった。
昨年より痩せた気がするけど、膝の健康のために痩せるの頑張ってほしい。
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近松:原田さん:クリックすると開く

 圧がでかい。
伸びやかで品のある歌い声なんだけど、うますぎて破壊神みたいになる。うま。どんどん歌が仕上がっていってさすがだった。最後のシーンがかっちとだから、ズッ友同士のシーンだ〜〜!ってなったし、とある回には客席にイツメンのあの人もいたし、なんだかほっこりしたし、ちょっぴりほろりとした。

前の舞台(演出)が12/20までで、忠る最終稽古が12/23っていう鬼のようなスケジュール。かつ、このあとのMAの稽古もあるからまじで忙しかったのに「優ちゃんならできる」で出演した方。だいじょばないんだよ!!って本人言ってたけど、大丈夫だった。
煮汁4連続選抜おつかれさまでした。
www.instagram.com 千秋楽のGet Wildで歌詞をミスったけれどそのカバー力が流石だった。気づかなかった。  
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信子:水さん:クリックすると開く

強い!かっこいい!好き!信子かっこよいよ〜〜〜。
凛としていて、愛情深くて。水さん素敵でした。あと髪飾りがすごく繊細できれいだったなあ。

綱吉が死んだ後の信子、いつでも素晴らしかった。
徳川家宣!上様を追い詰めた憎き男。」ここでは一切家宣の方を向かないのに、
「お前がこれからどのような政治をするのか、見ものであるなぁ。」ここで向く。
「どうか、この国のこと、しっかりと頼んだぞ。」
綱吉がこの世を良くしようとしていなければ信子からこういうセリフは出てこないんだよな。だからこそ信子の刃が強い。家宣はいつもこの後徳川に背を向けてしまう(千秋楽除く)。

あと千秋楽はこれ。
ずーーっと辻本さんの首が浮いているからすっごい辛そうだったんだけど(お顔は安らか)、信子自害時に膝を浮かしてくれて辻本さんの首をサポートしてくれたんだよね、優しい。。。。


2部は29日の宝塚回忘れられないですね。
「みなさん自由だなぁ〜って思っていたのですが、りかさんが一番自由!」

るひま時間カウントダウン「今年はちゃんとしない引き出しを作ろうと思います!」というコメントもさすがでした。  
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感想(4)へ続く。

(4)はその他の諸々

q692te.hateblo.jp

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(1)全体の感想
q692te.hateblo.jp

(2)好きなシーンなど
q692te.hateblo.jp

です。

忠臣蔵討入・る祭(忠る)の感想(2)

忠るの感想、その2。

好きなシーンや、演出、気になったことなどをつらつらと。 ボリュームが多いので、各項目ごとにまとめました。

その1と違って、ここからはかなりラフなの感じで書いてます。

全体の感想はこちら。

q692te.hateblo.jp

 

武士悔いねえ:クリックすると開く

初っ端からテンションがめちゃくちゃあがった〜〜〜〜〜〜〜!
お祭りぶち上げてるのと、このテンションでの現在への触れ方がよかったです。

コロナ禍の演劇って本当に本当に大変で、観客としてしか想像ができませんが、まず間違いなくPCRで予算がかなりかかります。カンパニーによっては数百万円とんでいきますよね。今回は演者の人数絞っているけれど、スタッフさんも必要なので・・・・。もちろん稽古も十分にできないでしょうし、換気とか人数制限とか。マスクとフェイスシールドつけての殺陣で若者がヒイヒイいっているという話も聞きましたが、36歳の大人たちなんてもっと大変だったじゃん、とか。

コロナ禍の観劇ももちろん大変で、今回配信でしか見ることのできない方も多くいらっしゃって、(全回配信があって本当に良かった!)、悔しい思いされている方も多いでしょうし、現地でもいろいろな気遣いが必要とされました。(結構大きい声でお話されている人はもう少し我慢していただきたかったですがね。。)そもそも普段のお仕事や生活でコロナの打撃を受けてる方もたくさんいらっしゃるわけで。というか程度の差はあれ全員打撃は受けているんですが。

・・・・というこのご時世。舞台の一番最初、演るのも観るのも大変同士が出会うこのパートで、空気を「共有」できるんですよね、ポップな曲調で。しかも板の上から「ムリムリ」って明るく言ってくれる。年末に心がスッとしてしまいました。
湿っぽい触れ方や、やけにエモーショルなやつ、時には演劇大変っていう叫びとかいろんなパターン見てきたんですけど、祭りシリーズの「今この時への触れ方」がやさしく楽しいもので本当によかった。

まあ私は「お静かにっ!(ブンブンブン)」がかわいすぎて、永遠に浴びていたいと思いましたが・・・・・・・いやぁ〜〜〜〜〜〜よかった。綱吉様、お口をむっと力入れてブンブンするのきゃわすぎてどうしようかと思った。あんなのきゃわじゃん無限再生したい。殿の周りのダブルピース天国もよかったなぁ。
にっこにこな寺坂。(平野良のダブルピースが好きなので。)この曲はみーんなかわいかった。みんなバブ。バブの大漁。バブの入れ食いだなと思いました。

大山まーくんと原田優一さんの歌もそれぞれよかったですね。
30日昼に原田さんが下手からインした時に「近松小さい・・・!?」って一瞬なりましたが「キレイか?」と押しの強いアドリブぶち込んできて「いや、圧がでけえ」ってなりました。
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殿の日替わり:クリックすると開く

あれネタ提供誰なんだろう。ちゃんと円盤収録お願いしたい。
ご飯ネタは平野さんではないのはわかるんだけれども。ウエアハウスでご飯行ってないので。それと今回は「契約で」家と稽古場直行直帰だったそうなので、主に提供元は過去の共演者になると思うんですが。稽古場での私語はそんなに推奨されないとは思うので・・・・(とはいえ大石家宣日替わりでの後輩の趣味の話もあったので、若干は交流していたのかな?)

もしここがセルフプロデュースなら「カツ、やべえな・・・」ってなる。(大薮とのシーンは結構体張ってプロデュースしていたみたいだし。)まあ無難に安西、木ノ本、林(敬称略)あたりなんでしょうか。あ、あと小早川くんかな。事務所と猫ひた(曜日は違うと思うけど。)る典のときみたいにLINEグループ作ってネタ提供をみんなでしあったのかもしれないですね。

それにしてもよかった。今までの関係値がゼロな人が、陽のパワーでコバカツさんをいじるんだもん。勝てない。座組からのいい意味での殿の浮きっぷりが殿らしさであったし、それが面白さに寄与していた。代役だからこその跳ね方をした印象のシーンでした。
このいじりパートをストーリーの冒頭に入れるので、浅野内匠頭の人間像と赤穂藩(幼稚園だったけど)と大石の関係性を説明ゼリフじゃなくて理解できるのうまいよなぁ。

歌NGなのに鼻歌でハモリの方を歌っちゃうコバカツさんとか、人の恋バナ好きなコバカツさんとか、もっと聞きたかったな。  
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松の廊下事件〜Get Wild:クリックすると開く

松の廊下、最高だった。せり上がりながら盆が回る・・・・。観客としては「キタキタキタ」と不謹慎ながら高まるパートなのですが、本当にセットが良すぎた。下手から観るとより廊下感が際立ったなと思いました。

吉良がようやく浅野内匠頭の弱さのスイッチを見つけた時の表情が素晴らしかったですね。扇子をくるくる回しながら「刃傷でござる、刃傷でござる〜〜〜」も最高に嫌味でよかったな。(ところであのピンクのプレゼントは一体何だったんだろう・・・、と思っていましたが、伊藤さんの配信で桜の飾りの印籠、っていってたかな?)

惜しむらくはDVD収録回といわれている31日昼公演で浅野内匠頭が刀を抜いた時に袖にかかってしまったことかなぁ。あの回だけなんですよね、引っかかっちゃったの。差し替えしてもらったほうがいいんだけどどうなるのでしょうか。

さてここまで読めば私が綱吉贔屓なのわかるかと思いますが、まあここもマントを付けたままの立ち回りが麗しかったですね。回る盆で身を翻すのが眼福でした。一度躓いていてヒヤッとしましたが。
そしてまさかのMake me Happy。辻本氏はNiziU好きなんですけど、まさか2部の煮汁じゃなくて1幕ラストで踊るとは思っていなかったんで意表を突かれました。ダンス時スンッと真顔でシュールだったな。まあそれ以外の立ち回りや下手にはける時などとても悪い笑顔をしてらっしゃいましたが。
後に「上様が笑っていた」と源五右衛門が語るシーンがあるので、映像的にそれがわかるようなカットが採用されるとよいのですが・・・千秋楽のスイッチングは若干わかりづらいので編集に期待したいところ。

で、そこからのGet Wild間奏殺陣。めちゃくちゃアガるBGM(テテテテテ)で寺坂と柳沢が殺陣するシーンが最高に好きです。
なんとなく、この動画の最初の方に寄せて楽曲を制作している気がしないでもない。
TM NETWORK / Get Wild(TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-)

殺陣のうまい二人かつ、階段や廊下などのセットがないのでテンポも早くて気持ちがいいですよね。そして早いけどちゃんと重さもある。刀で競り合うところで、蒼木氏が刀を若干震えさせるような演出(というのかな)を加えていて、それが殺陣の重みとリアリティをあげていたと思います。家宣の反撃もスマートでよかった。
なんというか、得意技が違う同士が戦っている感がして見応えがありました。

それにしても大石が強すぎる。刀を抜かずとも柳沢をいなすことができるし音が鈍い。数的不利かつ大石が刀を抜こうとした瞬間柳沢も引くんですが、その大石の抜刀しようとするカットもちゃんと収録してほしいな・・・たしか千秋楽映像分かりづらかった。

そして徳川ソロ歌唱パートに向かうのですが、注目してほしいのが蒼木陣の身体能力ですね。あの階段を3歩+α程度で登ってしれっと歌唱に加わるの、まじで瞬間移動ですからね。3歩+α程度と書いたのは、多分実質4歩で軽々登れるんだと思うんですが、最後階段を歩いてのぼる演技をするので調整で+αとなってます。しかも盆回転してますからね・・・。
あれか?寺坂が剣心だったらお前は瀬田宗次郎の縮地を使えるのか???これ円盤で見れるか微妙なんですけれどももう一度確認したい……まじで彼だからあの瞬間階段の上で歌うことができたと思っています。すごい。

小林座長は歌ダンスNGではありますが、だからといってソロパート徳川のみというのも思い切ったと思いますし、徳川への感情移入を狙ったものでもあるなと感じちゃいましたね・・・。後々ボディブローが効いてくる歌詞だと思います。

ここ演出も素晴らしくて、浅野内匠頭が盆の奥から階段の下をくぐって中央に歩いてくるのが本当によかった。浅野内匠頭の覚悟しつつも滲み出る悲嘆さと下に目をやらない徳川とのコントラストがよかったです。

ところで伊藤さんの配信を聞く限り、ゲトワ2番(?)は当初別曲だったみたいですね。最終稽古前の通しという割とギリギリのタイミングでこの形になったようなことをお話されていました。いや〜この形になってよかったなぁと個人的には思いました。

あとこれは絶対に円盤に入るとは思うけれど、Get Wildではぜひ井深克彦のダンスを見てください。力強いあのダンスが最高に好き。キューブあげます。

初日から手拍子が入ったGet Wild、はたから見ると気が狂っていますが楽しかったですね。 —-

大石と家宣の2幕冒頭階段のシーン:クリックすると開く

家宣がソロを歌って、過去回想した後の二人のやり取りのシーン。
ここの演出が私はめちゃくちゃ好きです。階段でのパーフェクトな演出。途中演出が若干変わったんですけれど、変更前も変更後もどちらもよいなあ〜〜と思いつつも、変更後のほうが家宣に寄り添っていて好きです。

図の番号は、家宣と大石がいる位置を表しています。

f:id:Q692te:20210117210712p:plain ①:一番上。
家宣のソロ曲〜過去回想。ソロ歌うというのもあるけれど、徳川家宣として人の上に立つものだったので一番上にいる。
②:少し下がる。
親友を殺してしまった後悔から崩れるように下の段へ。失ってしまった、人の上に立てなくなった自分自身の思いの現れ。過去の自分自身を大石に告白する時はこの位置。
③:大石の位置
家宣の過去の話を聞く時、このあたりに座る。
④:家宣が再び上に立つ
セリフと連動して動く。
・赤穂の仲間たちはみんないい奴らです。:家宣立ち上がり階段を登り④の位置へ。
・私を恐れず、バカにもせず、対等な仲間として扱ってくれる。:後ろを向きながら。
└1番上に立っているけれども、後ろ向きなので人の上に立ちたくはない気持ち。
 家宣(上に立つもの)だとしてもこれからも対等でありたいという気持ち。
・私は自分が誰だったかを思い出したからこそ、この場所を離れづらくなっています。:前を向く。
・できるならこのまま、赤穂藩士としてここにとどまりたい。:階段を降りる→⑤の位置へ
⑤:大石と同じ目線に立つ。
家宣の一番強い気持ちを大石に伝える位置。
・もう一度仲間というもののために生きてみたい。
・それが叶わぬなら、私に生きてる価値なんてない。

・お気持ちお察し致します。
ですが、赤穂藩自体がこんな様子では……。
:大石は階段を降りてしまう≒家宣の気持ちを受け止めない。

旧演出の場合、大石が気持ちを受け止めない・届かないという現状を色濃く映していて、変更後は「家宣の想いが一層強い」ということを強調する演出に変わったと思います。確かに全体の流れや家宣と大石の関係性を思うと、変更後の演出がよりしっくりくる気がしています。

いやぁ〜〜〜〜階段の位置で心情を表現する演出すっばらしい・・・・。
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殺陣:クリックすると開く

今回殺陣シーンが多い、長い、見応え抜群でしたね。
特に平野、辻本、蒼木が3箇所で殺陣を始めて目が足りないのなんの・・・・。まじでマルチアングルカメラが必要。平野蒼木のGet Wild殺陣もよかったですが、討ち入りの殺陣本当に豪華でかっこよかった。しかも雪の降る中の殺陣。美しかった。

特に平野座長お疲れさまでした。36歳にこんな長尺の殺陣をさせるの鬼畜だわ。家宣はくるっと身を翻したり身軽な感じの殺陣でしたし、しかもはしごに登ったり階段登ったり大変そうだった。最後まで怪我がなく完走できてよかった。戦闘狂っぽい綱吉もよかったなぁ、一人だけめっちゃ笑う。上手にはける時の煽るような表情と仕草が良きでした。

3人が強すぎて赤穂浪士たち、もうちょっと頑張れ、と思ってしまいましたね・・・。たまに赤穂浪士の手が遅れると平野さんの殺陣数変わるんですよね。SEはちゃんと追っかけでつけてくれたんですが・・・・そういうところもちょいちょい目についてしまいました。
あ、でも十郎のやられ方が非常に良かったです。階段から落ちるときってどうしても正面から落ちがちなんですけれど、横から落ちれるんですね彼は。良かった。
あと階段からの落ち方のうまさで言えば、大石に顔を殴られた柳沢の落ち方が見事だったかな。回転しながら落ちて、その後鼻血出ていないか確認する一連のシーケンス、よかった。

私は辻本>蒼木>平野の順番で見てしまう傾向があるので、階段上部での家宣大石の対峙を見れていないんですよね・・・・鈍い峰打ちの音は聞こえているのですが。。だからこそマルチアングルカメラまじで必要なんですよね、、、辻本さんの速すぎる殺陣も、蒼木氏のダイナミックな殺陣も、平野さんがくるっと回転したりしながら殺陣してるところも全部見たい。全員の殺陣を見たいよ〜〜〜。

討ち入り殺陣は終盤の演出変更も気になりました。

まずは大石と対峙した家宣が峰打ちに切り替える時。
28〜30日までは切っ先を大石に向けたまま少し刀を振るようにして峰打ちに変えたのですが、31日については一度刀を縦に持って峰打ちに切り替えた後に構え直していました。個人的にはずっと切っ先を向けていてほしかったなぁと思いましたが、千秋楽公演の方はわかりやすかったのではないかなという印象を持ちました。前楽はなんか微妙に思えてしまったけれども……。

あとはしごの上に登って槍を切断するところ。
30日までは槍を掴む→刃を切れる方に持ち変える→切断、でしたが
31日は槍が来る方向を見る→先に刃を切れる方に持ち変える→槍を掴んで切断、でした。前楽の時は、あまり槍が来る方向を見ていないのに刃を持ち替えていたので違和感がありましたが、千秋楽はしっかり目視するようになったので違和感なくスムーズだったなと感じました。
というか、こんなに分かりやすく殺陣変更するんだな、しかもそれが楽日の31日だというのが驚きだったというか。円盤収録に合わせたのかな。

ところで討ち入り冒頭で大石が采配で敵を殴る音が鈍すぎましたね。あれ、殴る道具なの・・・?大石みたいな大男、そりゃあ強いわっていうインパクトはありましたが。

あと徳川はパワーSなのかな。家宣は2本のやりで上から攻撃されても払いきれるし、刀蹴飛ばして押し返せるし。綱吉も赤穂藩士二人から斬りかかられても片手持ちの刀で払えるし、吉良に刺された後の殴って払いのけるところのSEがそこそこ鈍かったりするし。あ、信子も強いわ。パワーSだわ。

また、殺陣ではないですが、家宣の刀をアクロバット抜刀する柳沢すごいよかった。やたらアクロバットさせられていた蒼木氏ですが、ここのアクロバット抜刀については普通に走るより早いですからね。超合理的抜刀。痺れる。
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照明・セット:クリックすると開く

忠る、照明豪華過ぎでセットもよくて本当に良かった。来年の祭りシリーズもそうあってほしい。
花道はなかったけれど、装置も豪華。上でも書いたけど松の廊下すごくよい。あと階段も、床を広く使える面と、階段がメインになる面があったりして、着脱式階段×盆がめちゃくちゃ効果的なの本当好き。ほんと場面転換がうんめえ……板さん好き……。

あ、あとセットではないけれど地下牢での吉良と家宣のシーンは、家宣の刀の美術が素晴らしかった。吉良が刀をもって入ってきても、それが家宣の刀だと一瞬でわかるので敵意がないことが伝わる。美術がうまい・・・。

そして本当に本当にムービングライトが最高。Get Wildのところと、特に殺陣でムービングライトバッシバシなの最高に高揚した。私はずっと1階席だったので見えませんでしたが、地下牢の檻の照明もいい感じでしたね。

そして薄紅色の歌の時の照明がマジで最高でした。薄紫にオレンジが射し込む。極上の照明だった。背景に星空が浮かんでいましたしね。キレイすぎる光景でした。

とにかく忠るの照明はシャブ。永遠に吸いたいって思った。
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千秋楽事件:クリックすると開く

さて・・・、千秋楽、何が起こったんでしょうね。この項目まじで主観の塊です。

まず30日から帝が松田→前川にバトンタッチしましたが、そこでまた座組の印象が変わった心象を受けました。松田帝よりも「青年らしさ」が前面にでてフレッシュで掴みどころのない食えない前川帝。どちらも素敵な帝ではあったのですが、前川帝は締めるシーン(1幕ラストや2幕の文箱のシーン等)で若すぎてしまうかなと思ってしまう瞬間がありました。

それに合わせたのか、結構平野さんは演技をより「若い方向に」調節していたような印象でした。そうすることで全体を調和させようとしたイメージでしょうか。(実際はわかりませんが。私の印象です。)簡潔に言うなれば「バブ」が強調されていった。千秋楽なんて登場シーンから両手広げるわ、「あざとかわいい〜〜(じたばた)」とかホント年齢を下げた演技していました。まあそれ以外も若々しい感じになってました。

千秋楽は辻本さんも一気に線が細く弱く危うい印象でかつ「若い」というか…年齢下げた方向に演技を走らせたように見えました。いやまじで千秋楽一気に変えたなと1幕時点で思いましたが・・・。

で、問題の(?)2幕のラストです。辻本さんが年齢下げた演技してるので、平野さんとの対峙のシーン(死ぬ直前)で今までよりも揺れたしむき出しだったんですよね、表情とかが。このシーンで徳川二人のシンクロニシティが謎に生まれたような印象を受けました。

討ち入り終わりは盆が回って綱吉たちが奥に行き、家宣と大石が残されるラストシーンに続くわけですが・・・ここまでの7公演は全て去りゆく者に背中を向けて、大体は客席の方を向いて家宣はうつむいていたのですが、千秋楽公演だけは綱吉と信子の方を振り向いて見届けてしまったんですね。この公演だけは家宣は客席側に背中を向けてしまった。

つまり何が言いたいかというと、千秋楽公演の家宣と綱吉は、通じあえるかもしれなかった二人なんですよ。去りゆく綱吉と信子を見つめる家宣は、全てに背を向けるのではなく、自ら徳川を背負いにいった家宣であり、綱吉と通じるかもしれなかった家宣でもある。徳川の重みを感じている家宣なんです。いやぁ〜〜〜びっくりした。前楽より千秋楽をDVD収録してくれないかなぁ・・・。面白いもの見れたので。
うまく言葉に表せないんですが、シンメの完成形を見ました。

あと千秋楽はラストシーンの大石へのセリフで「わたっ、私も一緒に連れて行ってください。」と珍しく平野さんが噛むんですが、それが「寺坂として、赤穂藩士としての気持ちが入っていない」という印象になりました。この日はやっぱり最後まで「徳川家宣」だったなぁ。

ついでに書いておけば、ラストシーンで印象深かったのは29日夜なんですが・・・家宣はうずくまってしまいましたね・・・・。この日の最後は「寺坂吉右衛門」としての純度が高かった。赤穂藩の一員として泉岳寺に行きたかったように見えました。あぁ29日夜・・・最高に噛み合ってたなぁ・・・・・。赤穂藩側も幕府側も29日夜めちゃよかったよ・・・・。
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頭のわるいパート:クリックすると開く

シンメすな。もう分かってますよね?私は辻本祐樹氏贔屓です。

私の初見の感想は、先にも書いたように「そこでシンメすな・・・・(thx,るひま)」でした。いや、確かに今回いつも以上に「お芝居を重視する。」ということを強調し、特に「板垣さんがいっていた」というのを聞いていたので、メインの役どころには信頼できる役者を置くだろうというのは分かっていたのですが、、こんっっっな美味しい役を若者ではなくこの2人(というか座長は確定枠なのでつじもとさん)にしたというのはるひまがやりたかったことなんだろうなという気がしてしまったという印象でして。(本当のところはもちろん知らない。)

(初回1部終わってすぐつぶやいたのかなこれ・・・。)
(私が弱いのは、珍しく贔屓にまつわる関係性が見れる組み合わせであり、かつ、その相手が信頼に足る役者であるというだけで深い意味はないよ。)

あれだったのかな、る変を経て源氏物語再販したのは伏線だったのかな??? www.lehimawari-onlineshop.com (平野・辻本出演の3人芝居で、役を期間途中で入れ替えるというクレイジーな舞台だよ。1粒で二度美味しい。ぜひ買って見てね。)

そもそも今回10周年ということで、座長でなくてもいわゆる”るひま功労者”たちが高待遇な印象でした。
物語を引き締めるシーンにかっち(祭りシリーズ最多出演)を置いたり、みねくんや林さんもいい役でした。安西も、幟も立ったね。(それと。※下の方で書く。)
そして最近本筋にあまり関わらず、ちょっとちょっかい出す悪役が定着した辻本さんが、今回ガッツリテーマに絡むという。10周年のご祝儀なのかなぁというぐらい。びっくりしてしまった。正直出番そんなに期待してなかった。。。出てくれるだけでありがたいので。。。(特に今回は年末別のお仕事の予定で、そのお仕事がコロナでキャンセルになったから今回出演できたという経緯があります。)

平野さんと辻本さんの関係性はまあ言わずもがなですが、同い年だし金八からのつながりで同じ席で・・・という縁ですね。る変の対談でも話してますね。平野さんのブログにも今年書いてたな、珍しく。
youtu.be lineblog.me (テニスのオタクなので補足しますが、この二人はテニミュはニアミスと言う感じ。共演しているけど、対戦はしていないんですね、四天Aと青学5代目。二人の中学生を見るなら全国立海前編サポで素麺売ってるドヘタクソ関西弁の平野良と、試合している辻本祐樹見るのがいいんじゃないですかね・・・。 www.tennimu.com 今回の2部で使用されたパロディ元の楽曲も気になるなら、ドリライ7thだと全部入りです。今回の出演者の大山まーくんも見れます。) www.tennimu.com

とはいえこのお二人は特に仲良しというわけでもないのでルーツの近さはあるものの、基本遠い印象のある二人なのですが。共演も源氏物語の次はる変ってぐらいで。ここを・・・・シンメにしたか、る・ひまわり。そういう性癖を持っているんだな・・・。るフェアのときはスルーだったのにな。板さんじゃなかったから?

今になって思えば、今回のバスツアーの無言昼食で同じタイミングでエプロンをかけ(他キャストはエプロンしない)、同じタイミングでおしぼりで手を拭いたのも面白いなって思ってしまうよな。DVDでまた見れるかな?
いや、大して仲良いわけでもないのにwwwとか笑いながら見てたんだけどさ、バスツアーの時・・・。そういえばあの時は稽古前だったし台本も持っていないだろうタイミングでしたが(おそらく。11/24の時点で台本が間に合っていないbyるジオ)、知らずして「家宣」の眠る増上寺に「綱吉」役が出向くという、今思えば悪趣味な時間でもあったね・・・。いや、前もって寺坂がどういう役どころかみんな知っていたかもしれませんが。

そして・・・いや〜〜〜二人のポニテよかったなぁ。紐はそれぞれ違いましたが。今回ポニテ祭りだけど、髪型まで寄せてきたか〜〜〜〜〜ってなったよ。センター分けポニテよきでしたね・・・。
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幕府側の諸々:クリックすると開く

幕府サイドは色々と情報が多いので、言及したいことをいくつか。

三角関係という触れ込みでしたが、エグい三角関係でしたね、幕府。

綱吉は登場シーンの信子が去る時すごく寂しそうなんですよね。効果音も入るし。手を伸ばしかけているんだから、ちゃんと伸ばせ。素直になれ。もっと信子と一緒にいたいって言ってくれ・・・。そして最後に明かされる「信子からの恋文を文箱に大事にしまっている」という事実です。信子への愛は一貫してるんですよね、最初から最期まで。

信子は「上様は一体何をお探しなのだ」と思っているけれど特にそれを上様とは話さず。綱吉お気に入りの帯に変えて、柳沢は帯に気づいて話しかけるけど綱吉は特に何も言わなかったんでしょう。お互い「気づいてほしい、大事である」と思っているけれど一歩引いてしまっている。

柳沢は信子のことが明らかに好きなんですが、綱吉に人生捧げる覚悟は本物。だからこそ例の「仕事」に行き着くのかなり重たいですね。

▼仕事関連
恐らくはその「仕事」の結果として信子は懐妊したと思うのですが、それに喜び天を仰ぐ綱吉と、握りしめた手を見つめ続ける信子の交わらない視線の対比がえぐかったですね。残された柳沢は、この後の諸々よろしく頼んだぞって信子に刃を向けられるの辛すぎる。救いがないですね。

最初のシーンのように、ちとからかいすぎたようじゃ、って笑い合っていられればよかったんですけどね。
そういえば初回は割と「柳沢は信子のことが好きなのだろう」の綱吉の目の動きからドロドロの予感がしたんだけど、日を追うごとにだんだんその色が薄れていった気がしたな。
ーー
「対綱吉」について

綱吉は最初から「なぜ私は民に支持されないのです。」と言っていることから、欲しかったものは人の想いでしかない。そして、ただただ仲間という存在に焦がれ、そんな人が現れることを心のどこかで祈っていたわけで。。「この世の全ては思い通りに。神になれる日は近い。」の歌詞については、神であれば民から愛されると思ったから、なのかなという気がしてしまいますね。

つまり上様は私腹を肥やしたいわけでもなんでもないので、途中大石が「世の中お金」という話や「金よりも義」という話をしますが、ここに綱吉に当てはまらないんだよなあ。総じて大石の対綱吉の動機に少し違和感があったりするんだよなあ。というか意外と軸がブレてる。
(あのセリフをロジカルに紐解くことができない・・・。ついでに規則規則でしばりつけ〜、も同様に。まあ冒頭で財政難である赤穂藩を意図的にいじめているというわけですが。)

ただし民の一人である大石の言葉があることで、綱吉の本心とのギャップが際立つなとも思っています。それでしかないような気がするんだよな・・・。

ーー

討ち入りのシーンの綱吉。

そんなことをしたら吉良が捕らえられるところを見逃すではありませんか
何のために信子まで連れてきたと思うのです。
私に歯向かう者を一網打尽にするためですよ

信子を連れてきたのは自分が絶対的な地位を確立している確認作業、でしかないのかなぁと・・・。逆に言えばそれほど綱吉には「自信がない」ということ。安心材料を眼前で見せつけることで、無事に子どもを生んでもらいたい、ということ・・・なのかな。
いや身重だぞ、連れてくんなって感じだけどな。
正直なところ自信のなさを作劇中で強調したいプラス、後の展開のために必要だったというだけかなとは思っています。

まあ基本的に綱吉は20時から始まる刑事ドラマの犯人で、それまで狡猾な手段で事を進めていたのにツメが甘く、最後の最後で刑事に追い詰められながらダサい目的をゲロっちゃうタイプの子だからさ・・・。かわいそうでかわいいんだよな、綱吉。

事情はあれど幕府側は悪役は悪役なんですが、悪いやつの「すべてが悪い」わけではないっていうのが一番やり辛いよね。幕府側の僕たちにも正義はある、と蒼木氏は言っていましたが。
もちろん朝廷にも赤穂藩にも嫌がらせするわ、信子は誰かを毒殺するわ、柳沢は家宣を拷問するわやりたい放題やってるんだけどな。
—-

なんでなん脚本:クリックすると開く

思わせぶりな帝、知り過ぎな吉良とか・・・他にもまあ色々ガバゆるなところはありました。上の項目にも書いた大石の思わせぶりなセリフ群とか、特に効果を感じないセリフもあった。

あとはリーディングでの補完が必要だと思いました。徳川の方に比重が重くて、赤穂藩をもう少し掘ったほうがよさそう。

大石と浅野内匠頭:大石が殿のことを好きであるという話。
寺坂と浅野内匠頭:寺坂が殿をどう思っているのか。(何も矢印を感じなかった)
大石と源五右衛門+α:なぜ源五右衛門や赤穂藩士が大石を嫌っているのか。

赤穂藩士たちのパートで、どこかで「大石はなんやかんや頼りになる」という芝居が入れられれば赤穂藩の物語の強度が高まったかと思うんですが、脚本的にも演技的にもハードだったなという印象です。

あとは残された二人の話はあっていいですよね。家宣と柳沢はどう未来を描くのか。
綱吉は辻本さんなんでいつもの通りいい感じで掘り下げがあると思ってる信じてる。
綱吉と家宣なのか、綱吉と信子なのか。

ところで、吉良からの手紙はあるか? www.youtube.com まあ・・・首落とされちゃったからなぁ、吉良は。
伊藤さんが上映会に参加する未来は正直見えないけど、みんなの心に爪痕を残していそうだから。
—-

感想(3)へ続く。

(3)は各キャスト様への感想

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(4)はその他の諸々

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です。

忠臣蔵討入・る祭(忠る)の感想(1)

私の頭の整理なので非常に冗長であり、超個人的な偏りがちな文章です。個人の感想。

10周年だしちゃんと書こう!と調子に乗ったらとても長くなってしまいました。
4回ぐらいに分けて書きます。

今回は全体の感想。

劇中セリフを引用します。アーカイブ配信が千秋楽のみなので、基本千秋楽準拠です。

全体的な感想というか印象

忠る、演出と照明がバッシバシに決まっていて永遠に浴びていたい舞台でした。ほんと〜〜〜ムービングライトを一生愛していたい。松の廊下に寝転がりたい。一緒にゲトワMake me Happyしたい。殺陣シーンVRカメラくれ、マルチアングルでも可。最高の舞台セット・照明・演出ラブでした・・・。

そんな最高な演出をされた板垣さんがおっしゃるように、今回は「現代版の忠臣蔵」であり、小林座長いわく「立場」の話であり、……現代っぽく言えば「視座」の違いがテーマの話だったのかなと個人的には思います。

そして、「座長ふたりの友情の話」という触れ込みで間違ってはいないんですが、、、私個人としては「徳川」の話であったなあという感想です。そういう意図を感じる構成だったなと。

まあどう感じようがなんだって正解なんです。「視座」の違いの話だし。「現代版に置き換えるといろんな立場があって一概にいい悪いって言えない」というのが稽古中(収録タイミング)の座長のお言葉ですしね。

しかし、よーし討ち入りだ!という展開の直後に、敵方である吉良と綱吉の話を入れるので、ただの忠臣蔵にはしない、ただの勧善懲悪の話ではない、そうはさせない、という意志を構成からもバッキバキに感じてしまいました。(というよりも、こちらありきで全体を構成したのかなと思いました。あまり性格の良い見方ではありませんが・・・)

事前に「鬼滅の刃ですら鬼側に感情移入できるようになってる。敵側にもめっちゃ感情移入できるって話がウケますからね。」と平野さんがおっしゃっている通りなんですね。今の時代に勧善懲悪ってどうなんだろう、という話もしていました。

特に、幕府側の全員が心に傷を負いながらも念願の子どもを授かり、綱吉はただ一人の人間としての喜びの表情をしていましたからね・・・そこからの討ち入りです。容赦なし。

<討ち入りまでの流れのおさらい:クリックで開きます>

1. 浅野家断絶(綱吉と家宣。地下牢。)
2. 大石・赤穂藩士討ち入りの決意
3. 喜世と大石のシーン。
4. 仲間のために生きてみる。
5. 殿への思い。仕事の話。俺たちを陥れた綱吉を絶対に許せない。
6. ♪ソロ(薄紅色)
7. 赤穂浪士たちの潜入シーン。郡兵衛去る。
8. ♪リプライズ(薄紅色)
9. 吉良と地下牢のシーン。吉良の告白。金がいる理由。
10. 綱吉の告白、もともと綱吉は。信子懐妊。
11. 討ち入りへ。
---

さて。私がなぜ「徳川」の話であると感じたかというと、非常に分かりやすく家宣と綱吉を対比させたからです。勧善懲悪にさせない、視座の違いによって善悪の印象が異なるというテーマを一番負わせたのがこの二人。

ぶっちゃけ、私は初見で「ここをシンメにしたかる・ひまわり……。」と愕然としてしまいましてね・・・びっくりしたよ・・・るーちゃん。ていうか綱吉死ぬんかいって思ったよるーちゃん。

楽曲での対比:2幕冒頭のソロ

「徳川」を色濃く感じたのが家宣のソロ楽曲です。

2幕冒頭の歌は「徳川」の祈りの歌。
「薄紅色〜」は家宣の歌であり、綱吉にはたどり着けない歌。その対比を色濃く映していたように感じました。

♪2幕冒頭のソロ

強くなりたいと願った日からどれだけの力を手に入れたんだろう
弱さ見せまいと誓った日からいくつの夢を失っただろう
夕焼け空は今日も赤くて僕の不安は溶けて見えなくなるよ
あの場所に帰りたい自分らしくいれたあの頃に
いつだって誰かを愛していたいどんな時も笑顔忘れずにいたい

この歌の直後、家宣が親友を殺す回想が挟まれます。そして大石との二人のシーンで、自分がもともとどういう道を目指していたのか、どういう人間なのかを告白するシーンになります。

その会話の内容から「あの場所に帰りたい、自分らしくいれたあの頃に」という歌詞はわかるのですが、「いつだって誰かを愛していたい」が初見時ピンとこなかったんですよね。家宣個人の歌だとすると、その愛していたい相手が仲間もしくは喜世とするには動機として弱いな、と。

しかし終盤、紐解く鍵として綱吉と信子の二人で似たシーンをいれてきます。(民には愛されない、信子との子ができるシーン。)それを踏まえ、2幕冒頭のこの曲は綱吉自身にも当てはめられると考えるとしっくりくるんですよね。
似た境遇の二人の祈り、つまり徳川の祈りとして2幕冒頭ソロを用いたのではないか、と。二人の過去の語り口も敢えて寄せているのかなぁ、と思っています。

家宣(2幕冒頭大石とのシーン)

私はもともと医者になりたかった。(病弱な母親が苦しむのを見ていたからでしょうか。・・・みたいなセリフが千秋楽抜け)しかし、ある日突然、徳川家の跡取りとして指名されてしまった。人生とは、己の意志とは関係なく動くことを知りました。

綱吉(討入直前信子とのシーン)

私はもともと将軍になるはずのものではありませんでした。名前に「家」の字が入っていないことがその証拠です。子供の頃の私は、兄家綱の片腕になることが夢でした。学問が好きだったので、その道を極めることが楽しくて寝る間も惜しんで勉強したものです。ところが、兄が病いに倒れ私は将軍となった。これほど適正のない将軍はいないことでしょう。

ここのセリフ対比も、語り口は寄せてるけれど「もともと〜なりたかった。(=ポジティブ)」「もともと〜なるはずではありませんでした。(=ネガティブ)」という二人の明暗を印象づけている気がします。

楽曲での対比:薄紅色の歌

2幕の最初のソロを「徳川の祈り」と解釈しましたが、2曲目の「薄紅色〜」のソロは家宣の歌であり、綱吉はたどり着けなかった歌だなと思っています。

♪2幕ソロ2

薄紅色の花の香と 揺れ舞い落ちた在りし夢
前へ進めと声がする 心の奥で声がする
人を思い信じ初めて孤独と向き合える
絶対はない正しいもない足掻くことは間違いじゃない
信じた道行くしかないたった一度の人生なら

今回「孤独」というワードや状況が家宣、綱吉の両方から語られるんですよね。

家宣は孤独と向き合い、自分にとっての大切なものに気づくことができました。仲間と生きたいということ、人を信じるということ。

対して綱吉は自分以外の誰かを信じることができない様子が描かれています。

2幕冒頭 大石と二人のシーン。家宣の孤独。

仲間を信じないかつての自分は、綱吉そのものだった。親友を殺め仲間が離れていくことで孤独を感じて、失ったものの大きさに気づいた。だからこそもう一度仲間のために生きてみたいと強く思うようになった。

<以下セリフ:クリックすると開く>

私は目的のためには手段を選ばなかった。
買えるものなら買い、買えぬなら奪い、邪魔だと判断すれば徹底的に排除した。
仲間を信じず、自分の判断に自惚れた。慢心があった。
それはまるで、私が倒そうとしている綱吉そのものでした。
そのすきを綱吉に突かれたんです。そして……。

私は綱吉の策略にはまり、仲間が裏切ったと思いこんで、一番の親友を切ってしまいました。それ以来、皆が私を見る目が変わりました。心からの笑顔は作り笑いに変わり、誰も私に本心を語らなくなった。
恐ろしいほどの孤独を感じて初めて、その時になって初めて、自分が失ったものの大きさを思い知らされた。そんな時柳沢に襲われたんです。

赤穂の仲間たちはみんないい奴らです。私を恐れず、バカにもせず、対等な仲間として扱ってくれる。私は自分が誰だったかを思い出したからこそ、この場所を離れづらくなっています。できるならこのまま、赤穂藩士としてここにとどまりたい。
もう一度仲間というもののために生きてみたい。
それが叶わぬなら、私に生きてる価値なんてない。

---

綱吉登場シーン。将軍の孤独。

最初から「自分は孤独だ」ということを強調していますね。よよよ・・・かわいいんだけどね。

<以下セリフ:クリックすると開く>

綱吉)なぜだ、なぜこんなにも愚弄されねばならぬ
(略)
柳沢)みな、上様のことを尊敬申し上げおります
綱吉)民なぞに私の気持ちの何がわかるか!
   将軍というものが、これほど孤独な仕事であったとはなぁ

—-

綱吉が柳沢に「信子を抱け」と命ずるシーン

“孤独”故に、独断に走り、自分の愛する人を”仕事”に利用したシーン。
家宣「仲間を信じず、自分の判断に自惚れた。慢心があった。」との対応も感じる。

<以下セリフ:クリックすると開く>

綱吉)うん、重要な仕事の話だ。
(略)
綱吉)私には子ができぬ。 このままでは跡目を次ぐものがおらず、あの男、家宣にこの座を譲る日が来るかもしれぬ。 それだけはあってはならぬ!
柳沢)いや、しかし
綱吉)ならばどうする!そして思いついた!子をなせば良い。 お前と信子で成した子を育てればこの身は安泰じゃ
柳沢)できませぬ上様!それだけは上様の頼みと申されましても
綱吉)他に方法が思いつかぬのじゃ!だから頼む……!申し付けたぞ……

—-

綱吉と信子のシーン。

信子の言葉を素直に受け止められず、満たされないと嘆く徳川病み吉。

<以下セリフ:クリックすると開く>

信子)しかし、上様は努力なされました。 政治を学ばれ、天災続きだった世の中に秩序をもたらした働きはきっと後世まで語り継がれることでしょう。
綱吉)そうでしょうか
信子)そうですとも
綱吉)ではなぜ私は愛されないのです。
   なぜ民は私のことを尊敬してくれないのです。
   なぜ私の心はいつまで経っても満たされないのですか。
信子)上様
綱吉)この頃思うのです。学問に没頭していた頃に戻りたいと。 己の求めるもののためだけに心血を注いでいた時間が恋しいと。

—-

-

全体を通して「孤独」というキーワードが散りばめられ、「家宣の失敗」をそのまま綱吉がなぞっているような状況が繰り返されるのですが、さらにそれを「薄紅色の歌」で二人の差を印象づけているような感じがしてしまいました。

もちろん「薄紅色」のソロのタイミングで赤穂浪士たちの姿を見つめているので、彼らにも当てはまる歌詞はあるのですが(♪信じた道行くしかないたった一度の人生なら、とか。)、ここでは「孤独」について言及しているので割愛します。

そして、最終的に二人があそこで対峙するわけです。

徳川二人の対峙であぶり出される差

孤独からか精神を病んで濁ってしまい「取り返しがつかない」綱吉と、記憶喪失1年間のリフレッシュ休暇でリセットできて「やり直しができた」家宣。さらに言えば「持っている」家宣と、「持っていない」綱吉、ですね。

「自分たちは仲間であるはず」という家宣の言葉は、孤独故に分かち合う仲間が欲しかった綱吉にとってクリティカルヒットなんですね、、、、それも憎き相手から。あの時の綱吉の表情を見る限り、そうだったらよかった、もっと早くそこにたどり着ければよかった、という思いもにじみ出ているんです。「仲間」にめっちゃ揺れてしまう。
だからこそ「今更遅い」という返答になるんですよね。拒否や却下ではなく「遅い」。

しかも一度自分の過ちをリセットしたことでアップデートができている家宣ですからね、思考が一枚上手に決まってるんだわ。そりゃあ自分よりも民・仲間に恵まれる人間だと思えてしまうし、自分の惨めさをより感じてしまったんだろうな。綱吉のことを徹底的にいたぶる脚本ですわ・・・。

<以下セリフ:クリックすると開く>

綱吉)憎かったのですよ、家宣が。
(綱吉を見る家宣)
綱吉)民に支持され、仲間を従え、正義の名のもとに私の失脚を狙おうとしたお前が!
(略)
家宣)上様、私もたくさん過ちを犯してきました。 しかし私達はそもそもこの国のために働く者としては仲間であるはず 私達がまずしなければならなかったことは、攻撃し合うことではなく話し合うこと。 今からでも遅くはありません。この国の未来のために私と語りませんか。
綱吉)何を今更・・・今更そんなこと言われても遅いわ!

—-

-

そして、綱吉は殺されて現世から開放され、家宣はその重みの刃を信子から突きつけられて結末に向かいます。

まとめ

家宣は良くも悪くも甘い人でした。
綱吉と同じことをしていたと自覚的なのに、徳川に背を向けて泉岳寺に行きたい、と。直前まで「私がこの国のために」と宣っていたのに、いざ将軍職に肩を叩かれても赤穂藩とともにありたい、と。確かに残されたものとして背負うものは大きいかもしれませんが、そもそも綱吉を将軍の座から引きずり降ろそうとしていたのでね。

しかし、ここで大石と「寺坂」はきちんと決別して未来に進むこととなりました。彼にとっては辛い結末であり、赤穂藩士たちの思いも、綱吉の無念も、一人で背負って生きていかなければならない。るひまはいつも残されるものに試練を与えるからな……。

そういう意味では家宣が綱吉のことをあまり知らなくてよかったと思います。吉良の事情は知ってしまいましたが、綱吉のお世継ぎのことや心情の吐露を知ってしまっていたら残される側として非常に苦しいので。

最後のお花見のシーンは、前に向かって生きる彼だけが現実なのか、いつかたどり着きたかった夢のようなifなのか、もしくは「あっちでのお花見」なのかはわかりません。
ただ、何れにせよあそこにいたのは「家宣自身」であると思いますし、ラストの照明が落ちる直前で口元に力強さも感じるような笑みが浮かんでいたので、立派に将軍をつとめあげたことを感じることができましたし、彼が一歩を踏み出した後の姿を見せてくれたことが救いだと思いました。

以上の流れから今回の話は徳川家宣の話であり、徳川二人をメインテーマに据えて構成されていたな、と感じました。もちろん話の主軸は忠臣蔵(男の友情)なのですが、主題は徳川二人、みたいな。

--

とまあ、座長である大石にほぼ言及できていないのですが、大石がメインとなる忠臣蔵の主軸があるからこそ、視座の違いというテーマが今回成り立ったのではないかと思っています。

キャストや演出から「勧善懲悪はこのご時世にどうなのか」という話が出ていましたが、結局赤穂浪士たちはしっかり討ち入りする=勧善懲悪の役割を果たしているからこそ、敢えて忠るでは「忠臣蔵」の物語を主軸にはおいても主題にしていない、つまり忠るを勧善懲悪の話にはしなかったんだろうな、と思います。

補足。

家宣の2幕冒頭の歌、ミュージカル的に言うと特に歌でストーリー進行しないし時系列の飛躍などもないし初見違和感があったりするんですよね。歌った直後に家宣がそのままの内容を説明するので、「え、今の必要?」って思ってしまうんですよ。

「演出家板垣恭一は〜2」のメモによると板さんが当時語っていたこと。
ミュージカルの歌は主に2パターン
・モノローグ
 └願い・祈り・告白・怒り等
・ダイアローグ
 └昨日何してたとか。レミゼのOne day moreはモノローグの複合系

そして、「さっきそれセリフで言ってたのに歌ってたね」というのは失敗だ、とも言われていました。

つまり、2幕冒頭が家宣だけの歌であると失敗とも捉えられかねないんですよね。すぐ後で同じことセリフでいうので。ただ、実はこの歌は綱吉の歌でもあり、「徳川の祈り」の歌であったということが後半効いてくるのは良かったなと思います。ちょっと時間が開いた感じもしますが、少なくとも私は、そういう風に思えたなと。

いや〜〜正直歌が徳川に寄っちゃったから納祭の2幕M1みたいなのほしかったけれどもね。初回はすごく「くるか、くるか!?」って構えたらソロだったから・・・。1幕ラストも幕府側の想いがすごく強いので、それが結局2幕に効いてきちゃうわけだし。正直どこかで赤穂藩士たちの心情をもっとのせたほうが「忠臣蔵」としてよかった気はした。

追記(21/1/20)

「歩いて帰ろう」について書くの忘れてました。

2部の最後にみんなで歌った楽曲「歩いて帰ろう」。2部ラストに歌う曲は公演のテーマだったり何らかのメッセージを包括したり、寄り添ったりする印象なんですけれど、今回もその例に当たるんじゃないかなと。
(参考:る変「また逢う日まで」、る年「僕が僕であるために」など。る戦はドリフ忖度だから・・・

で、「歩いて帰ろう」ですが、この曲って今の自分の状況に歯がゆい気持ちのある曲だと思うんですよね。自分の理想・超越した何かに対する憧れとか、現実への苛立ちとか、そういうものとおのずからの現状を対比しているというか。

その上で今日「は」歩いて帰ろう、という楽曲は優しいですよね。今日から、これから、ではなく今日「は」。

忠るは懐が深いなぁと思います。
入り口(武士悔いねえ)も優しいし、絶対悪を作らなかったから、もどかしさもあるんだけれども、むしろどこに寄り添ってもいいよって言ってくれてるんじゃないかなあと。
(まあ、地獄って思う人もいる。だいたいの登場人物が死ぬ。遺される人もいる。しょうがない、忠臣蔵だもの。)

そんな公演の最後に、今日「は」歩いて帰ろう、という楽曲が似合うよね。 前向きな時があってもいいし、そうじゃない時があってもいいし。

まあ、改めて考えて対比なぁ、、、、・・・・あ、はい。。。。そうですか、という気持ちにはなったちゃぁなったけど。この公演が何かを追い求めて、その自分と誰かとの対比であったような気がしてしまうので。シンメかぁ〜。(深読みしすぎ)

私は家宣様は家宣様のペースで前へ向いて歩いていってくれればいいと思います。
そんな姿がリーディングで描かれればよいですね。祈り。

感想(2)へ続く。

ざっくり、私の忠る全体の感想は以上。 赤穂藩士たちのことや好きなシーンなどは各パートに書きます。

ここからも長い。

(2)は好きなシーンやパート、演出、千秋楽何が起こったの事件(私にとって)等

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(3)は各キャスト様への感想

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(4)はその他の諸々

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です。

まあ兎にも角にも忠る楽しかったです! 追加グッズと上映会を楽しみに待ちます。

る年祭の感想メモを今更ながら。

る・ひまわりさんのる年祭の感想書いてないと、年末終われないなぁ~~とか思ってたらいつの間にか春。

 

もう上映会も目前、ってことでもはや記憶が薄れかかっている中で、上映会の時に自分が注目して見返したいなぁと思うところをざっくばらんにメモします。

もはや感想ではないな!

<音楽が好き>

劇中歌は言わずもがな最高だけれど、BGM最高だなと思ったので好きなのを2つ。

記憶が薄れていたので、BGMにも注目して上映会に臨みたい。

 

まずは小松姫を救出し、戦場に向かう信之とのシーン。

 

 

1幕ラスト(人生はゲーム)のリプライズになっていて、これがもう最高。

1幕ラストのyoutubeは、ゲネ映像もるひま公式も冒頭がカットされているので、自分で弾くしかなかった・・。

 

歌詞はこちら

https://ameblo.jp/le-fair/theme10-10103174181.html

(引用)

忠勝        ♪知っている  君の気持ち

         ♪弟をいつも思っている

信之        ♪呪われた この運命(さだめ)

        ♪家のため わかっているけれど

(引用ここまで)

 

ここの歌詞の部分ですね。

1幕の時の信之は、真田家、徳川、小松姫、弟の幸村と揺れに揺れている。

 

しかし小松姫誘拐事件が発生。

その姫を救いに行くが自分も囚われてしまう。

 

(引用)

S7   あの時に戻れたら

信之   ♪いつからこんな 男になった

♪心の中で 言い訳ばかり

(略)

♪だけど

♪終わらせなくちゃ

♪先へ進まなくちゃ

♪二度と 会えなくなっても

(引用)

 

そして決意が固まった後、小松姫に「戻れ小松」といって抱きしめるシーン。

その時に流れているのが、1幕ラスト「人生はゲーム」のリプライズ。なんてエモい!!!!!

あの自分にも迷っていた男が、腹を決めて、愛する人を振り切ってでも自分の為すべきことを為すシーンに、過去の自分を表すBGMを流すのが非常にニクイ。

 

https://ilip.jp/I0002835

(引用)

―どんな夫婦になりそうですか?

内藤:本当に妻が好きなので、妻が中心というか…。

(引用ここまで)

 

小松姫を愛している、でも自分の決意も決めたから振り回されず前に進む、人間らしく繊細な印象の信之の力強くて素敵なシーンがBGMでより際立ったと思いました。

 

 

2つ目の好きなBGM

みんな大好き豊臣、、、からの木村と秀頼の邂逅シーンのBGM。

 

 

豊臣家が終わる。大阪城が燃える。淀と大野が炎の中に消えていく。

いつも凛として、時にはヨガとかしながら楽しそうだった彼女たちが消えて行くときも、豊臣は変わらず豊臣で、いつもの豊臣テーマが流れる。

 

ただ、いつもと違うのは、その後秀頼と木村が邂逅する、その直前でBGMにも変化があること。

 

豊臣の凛としたBGMが、やさしく融解するようなほどけるような、そんな音楽に変化する。

 

その後の木村と秀頼。

豊臣家とその家臣、という枠組みではなく、己自身として互いにぶつかっている。

豊臣家のBGMが終わった後にこの二人のシーンがあるのは、すごくグッときます。

 

 

<重長について>

物語のテーマを背負う、重長。

色々な方の感想を拝見すると、重長苦手そうだったりとか、テーマ全体にしっくり来てない方もいらっしゃったような記憶があるのですが(既に曖昧)私自身はこの重長の役割にやられてしまいました。どちらかというと政宗寄りの立ち位置だからかもしれませんが。

 

重長のことを、安西氏がどのように演じていたのか。様々なネット上のインタビューを見ましたが、個人的に一番クリティカルかなぁーと思ったのはオールナイトニッポンの第一夜。

 

理由としては稽古初日が11月27日、この収録が11月29日。(当時調べたものがあっていれば。)

今回のる年のは、座学から稽古が始まったとるーちゃんブログにあったので、最初に物語のキーを担うもの、そしてそのテーマについてを考えている可能性が高い。

https://ameblo.jp/le-fair/entry-12333809921.html

そこから俳優さんそれぞれの解釈が追加されていって舞台が出来上がっていくと思うが、まだまっさらな状態で、でも絶対にぶれない根幹が最初の方の稽古にあるんじゃないかなと考えたため。(あっているかどうかは定かではない。)

 

オールナイトニッポン文字起こし

長いので略したいのだけれど、大事だなと思うので一部をまるっと。

 

安西

ネタバレにならない程度に

そうですね、性格的なことを言うと非常に真っ直ぐで、あの、んー嘘をつかないですし、自分に正直に生きている青年の役なんですけれども、なんかこう、イメージしていただけるのが一番いいのがこう、、

戦隊モノの、まあレッド、というか、

本当にこう、あの、真っ直ぐ・・・って感じです!

 

辻本

ははは笑 すごく気をつけながら喋ってるね笑

まあそして僕ですね。

僕は伊達政宗を演じるわけですけども、

まあまあ仙台藩の当主ということで

まあ天下取りですよね、天下を狙ってはいますね。

その中でも自分の家臣である、安西演じる片倉重長を、、えーまあ、幸村のところに、送り込んだり、

色々、まとめる側として、すごく悩みながらも、家康とかには躱しながらも・・・まあそういったところまでですかね言えるのが。

 

安西

その面白いのが、今日演出の板垣さんも仰ってたんですけれど

まあ、いわゆるこう、上司と部下の関係じゃないですか。

辻本さん演じる伊達政宗が上司にあたり、大人のなんていうんですかねその

大人が生きていく難しさ。

そして僕演じる片倉重長の、

ま、子どもじゃないですけど、その時代に、

20代前半ぐらいの人たちが思うようなことが

すごくなんか、現代に近いんじゃないのかな、って思うんです

 

辻本

うんー だから、若い頃に大人の言っていることが受け入れられない、ってしてたことって多分あるじゃないですか。

何を言ってるんだ、そういうことじゃないんだよ、何で伝わらないんだろう、みたいな。

そういうもやもやを演じているのが、やっぱりこう片倉重長というか。

 

安西

そうなんですよね、本当になんか・・なんか・・・

どの時代もそうですけど、特に今の時代とかって、わかんないですけど、僕自身がそうなんで、

そういう気持ちを代弁しているような役でもあるので、

非常に面白いなって思ってます。

 

辻本

すごく誰が見ても、こう、心になんか、こういうことあったな。

って、色々思い出すんじゃないかなって思いますよね。

で、僕は大人だから。大人なりの悩みですよね。

表情には出せなかったり。

 

安西

今日稽古でそういうことやりましたもんね

 

辻本

今日ちょうどやったんで、えーちょっと

うまく話せてますw

 

 

というわけで、「戦隊モノのレッド」というこのワード。これはこの座学の中から出てきたものなのではないかなぁと思いました。演出の板垣さんから出されたものというか。

レッドってどういう感じかなぁと思った時、

真っ直ぐで、強さも優しさも持っている。何故か求心力があって、土壇場で任せられる、逞しさがある。物語の中心人物。

自分では当たり前だと思っていることはそのまま為すことで、自覚していないことで意図せず誰かを救えるような強さがある、というイメージを個人的に思っています。

 

初日初回を見た後の自分の感想

https://twitter.com/692TE/status/946426311953674245

 

重長は幸村を救えなかった。

「ヒーローにはなれなかった」という感想をどなたかが仰っていたましたが、私個人の解釈としては重長はヒーローです。

重長の救うべき相手は幸村ではなく、仙台藩、つまり政宗だと思っているからです。

 

今回、死の匂いがする者たちは終わり、生きること、未来に執着したものたちが生き残っている。幸村の死は美しいけれど、どんなに泥臭くても生きることが勝利です。

 

政宗は大阪の夏の陣で出撃する際、「絶対に生き延びてみせるぞ」的なセリフを言っていますよね。(セリフは忘却。)理想を語るときも、日常にある生を尊ぶようなことを言っていました。かといえば、亡霊が見えてしまうという呪いがかかっている。

この亡霊は本当に死人なのか、というとおそらくは後悔の念から自らが見せている亡霊だとは思っています。

ただ、本当の死人であろうとなかろうと、生を掴みきれていない危うさ政宗にはありました。

 

対して、重長は最初から一貫して「人として~、ただ生きたいだけなんだ、俺は。」です。

最後に辿りつた彼の答えも「俺政宗様と一緒に生きていきたい」でした。

彼は”正解"を求めながらも多分ここはぶれないんだと思うのです。この時代に、ちゃんと生きたいのです。

大人たち思惑が散々渦を巻いて、色々と巻き込まれて、まだ安定しない時、生を求めることは強さなのではないかなと思います。

私は歴史には疎いのでよく知りませんが。(日本史をセンター試験の1週間前に捨てた女。)

 

今回の話の主軸として、

豊臣(真田)VS徳川であり、仙台藩は両サイドから茶々をいれる第三者的立ち位置にいる。座長なのに中心に最初はいないんですよね。

ただ、豊臣からの死の臭い、家康の最期の仕事。

それらと対象的なこれからを「生きる」仙台藩の二人の物語だなと思います。

それを最後に作り上げたのが、戦隊のレッドの役割を持つ重長による政宗の呪いの開放だと感じています。

あのやり取りが二人を物語の主役にして、未来を見せてくれた。とても尊く目映い物語だと個人的には感じています。

 

あとここでは長くなるので省略しますが、

重長は幸村は救えなかったけれど、信之によって開放はされた。

それは救いだと個人的には思っています。

 

ちなみに、「生きる」のソースは基本安西氏のインタビューですかね。

上のオールナイトニッポン以外で言うと下辺り。

現代人ではなくわざわざ「生きる」を補っているあたりがポイントだなと。

(ただ安西ファンではないので、普段の彼のインタビューがこういう感じなら的外れかも知れませんが。)

 

◆Astage

https://www.youtube.com/watch?v=UGZFEk5f10s

https://ameblo.jp/le-fair/archive2-201708.html

8/30の記事があるのでこの近辺でのインタビューかな?

 

今回は片倉重長ということで作品の中で色んな人と出会って成長していく、葛藤していく役なんですけれども

「正解、なんですか!?」ってひたすら言ってるみたいなんですけれども

人生とか生きている中で正解を求めるんですけれども

結局は正解がないし、不正解もないんじゃないかなってことで

葛藤するような役になると思いますので

是非僕の重長のですね、葛藤を楽しんでいただけたらと思います。

 

◆アイデアニュース上(無料部分のみ)

https://ideanews.jp/archives/51615

安西

現代の生きる人の代弁者みたいな

 

◆アイデアニュース下

https://ideanews.jp/archives/51619

安西

非常にこう・・・面白い作品、でですね・・

現代に今生きる人達に、共感するところと、そこは共感できないよね、っていう部分がすごく描かれていて

非常にこう・・・面白さもあるけれど、見終わった後に、、えーなんか

自分がこれからどうしていこうかとか、そういうメッセージを与えられるような作品になっています。

 

余談ですが重長の若さでイラッとしつつ好きなのは、「人として~、ただ生きたいだけなんだ俺は」とか言ったタイミングでは特に何のビジョンもないのに、言うことだけはでかい若者みたいでとても青くてよいです。

同様に「俺がただで死ぬやつに見えますか?」というのも、若者の全能感を感じて、とてもよいです。

 

政宗の呪いと亡霊>

あの亡霊のシーン。死んでいったものたちが一堂に会し、そしてその頂点に幸村がいる、印象的なシーンですが。

重長によって呪いが解かれた時、基本的に皆そのまま立ち去っていきます。ただ2名を除きます。

 

1人は小十郎。一瞬こちら側に歩み寄ってから立ち去ります。

初日の感想

 

2人目は幸村。最後微笑んでいます。

 

 

何故この2人なのかなと思うけれども、2人とも幸村の理想に触れた人たちだったからかなぁとか。

 

いつでもそばに居てくれた小十郎。この話とは関連しませんが笑っておられる殿が好き、と言ってくれた彼ですが、親子でそれを成し遂げてくれました。

 

幸村がどうして微笑んでいるのか、真相はわからないけれども、仙台に行きたかった、という「源次郎」としての本音があったからあれは真田幸村じゃなくて源次郎だったのかもなぁとか思ったり。

 

 

政宗は基本人を斬りたくない。基本死人を増やしたくない。

 

幸村に対して、できれば会いたくない、出会ったら斬らなくてはならない、と言っている。最後こそ斬り合うシーンにはなったけど、ベリーくんが「お前にできないことをやる、俺は斬る。」と言っていることから政宗の本質がうかがえます。

 

どうしても理想を違えた2人なので交わることも、ともに生きることも叶わなかったのだけれども、この亡霊シーンの微笑みが、政宗にとっての救いにも感じるので、るーちゃんカメラが抜いていてくれること祈ります。

 

 

真田幸村と太閤秀吉殿下教>

カルト宗教団体真田村、、という印象。ラブ&ピース・・・"これで世界はピースされる"、とか言っちゃう系の人か。(※某95年をガッツリモチーフに使用したアニメより。)初見すごく気持ち悪い。

 

太閤秀吉殿下という、死んでいる・実体のないものに執着する姿は異様でした。

 

初日の感想

https://fusetter.com/tw/dkDzw

 

板垣さんのインタビューで、事前情報があったことは知りませんでした・・・ちゃんと読んでおけばよかった。

◆ランランエンタメ

http://ranran-entame.com/ranran/50228.html

(引用)

――それぞれの役柄のキャッチコピーが面白いのですが、例えば、佐奈さん演じる真田幸村の「純粋無垢な村長」というのはどんな発想からきているのでしょうか?

板垣:それね(笑)。まだ台本作ってる途中だからわからないと思うけど(笑)。

佐奈:謎めいていますよね(笑)。

板垣:なぜ、“純粋無垢な村長”なのかと言うと。真田幸村紀伊(現・和歌山県)の九度山に幽閉されていた時代の話なんですけど、「真田十勇士のみなさんは、ものすごく真田幸村に心酔している」という人間関係から、幸村は「カリスマ性があって幽閉されているけれど、ひとつのユートピアみたいなものを作っている男」と考えてその辺りの物語を作ろうとしているんです。それで“純粋無垢な村長”という言い方になっているんです。

(引用ここまで)

 

はぁーー宗教ーーー。後々調べてみたら、あぁこれがモデルになってるのか、っていう村、ありましたね・・・

真田十勇士のみなさんが心酔してるのも「死にたい」理想を語るのも、非常に気持ち悪かったですし、「それを強制されていない」という事実も恐ろしさが有りました。自然とマインド・コントロールされているかのような。重長がどん引きしていた時めっちゃ共感してしまいました。

 

幸村は真田十勇士たちに対して好意がなかったわけではなく、好きだったんでしょうけど、でも「幸村」というご神体的役割の時にはそうもいかなかったんだろうなと思います。みんなをまとめ上げ、太閤秀吉殿下のため、その忠義を果たさねばならなかったので、真田十勇士に好意を返すことは特にしておらず、そこは一方通行だったんじゃないかなあと。

 

ただ、「源次郎」としての彼はそうではなくて、みんなの好意を素直に吐露していました。信之によって、ただの弟の「源次郎」にされた時、彼はそういうものからも開放されて、自分自身の理想を話せた。

そして何より。「幸村」として死ななかったのが非常に大きい。「幸村」として死ねば、所謂宗教団体のTOPですから、そのまま「神」となってしまうんですよね。でもちゃんと「人として」死ねた。

ここでようやくよかったなぁとも思えたし、切ないなとも思えたし、物語としてのカタルシスを得られたなと思いました。

 

あと失礼ながら、幸村におかえりなさい、って言ってほしいという方を多数お見かけして、そことの考えの違いには結構エグいなぁと思ってしまった派でした。自分の中の潔癖な部分に引っかかってしまい、どうにも気持ち悪い。私はこの死にゆく宗教団体に足を踏み入れたくないなと思ってしまいました。

一応表明していおきますが、佐奈氏のことは好きですよ。

 

 

ちょっとこのあたりで時間切れ。

本当は重長、秀頼、兼続あたりの対比とか、承認欲求のこととか、そういうことも書こうと思ったけれど、、まあ余裕があれば上映会後にメモしようかなと。

 

色々な関係性や思惑がすごい密度で絡んでいるので、色んな角度から考察したり思いを巡らせられるのがとても楽しい舞台でした。

 

一番の推しというか好きな組は仙台藩なのでそのあたりもあるにはあるけれど、上映会後は胸がいっぱいで何も書けなくなるんじゃないかなぁとか思ったり。

 

というわけでブログを普段書かないので読みにくいだろうけれど自分用メモなのでオッケオッケ。上映会を楽しみに、そしてDVDの発売を楽しみにして今を生きようと思います。